純化末梢血CD34陽性細胞移植術
G-CSF動員末梢血細胞には骨髄と比べてより多くのCD34陽性細胞が含まれており, 免疫学的手法で純化する標的細胞群として適している.移植細胞をCD34陽性細胞に純化すると, 自家移植では移植片への癌細胞の混入防止が, 同種移植ではT細胞除去が可能である.さらに純化CD34陽性細胞の浮遊液量はきわめて少量で, 細胞輸注時の副作用が無視でき, 造血機能回復は非純化細胞と同等である.したがって, 純化末梢血CD34陽性細胞移植術は造血細胞移植術の分野で革新的な方法になる可能性をもっている.しかし, 癌治療戦略において患者の生存率/治癒率の向上にどれだけ貢献できるかは不明である.現在は幹細胞救済療法...
        Saved in:
      
    
          | Published in | 日本小児血液学会雑誌 Vol. 12; no. 6; pp. 389 - 399 | 
|---|---|
| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
    
        31.12.1998
     | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0913-8706 1884-4723  | 
| DOI | 10.11412/jjph1987.12.389 | 
Cover
| Summary: | G-CSF動員末梢血細胞には骨髄と比べてより多くのCD34陽性細胞が含まれており, 免疫学的手法で純化する標的細胞群として適している.移植細胞をCD34陽性細胞に純化すると, 自家移植では移植片への癌細胞の混入防止が, 同種移植ではT細胞除去が可能である.さらに純化CD34陽性細胞の浮遊液量はきわめて少量で, 細胞輸注時の副作用が無視でき, 造血機能回復は非純化細胞と同等である.したがって, 純化末梢血CD34陽性細胞移植術は造血細胞移植術の分野で革新的な方法になる可能性をもっている.しかし, 癌治療戦略において患者の生存率/治癒率の向上にどれだけ貢献できるかは不明である.現在は幹細胞救済療法のひとつとして実用化が可能になった段階である.各種の治療戦略における純化末梢血CD34細胞移植の有用性は, 非純化末梢血細胞や骨髄血, 臍帯血を用いた移植術と比較する前方視的検討で証明する必要がある. | 
|---|---|
| ISSN: | 0913-8706 1884-4723  | 
| DOI: | 10.11412/jjph1987.12.389 |