初診患者エスコート実習の学生・患者双方への影響

筑波大学医学専門学群医学類では1年生を対象に筑波大学附属病院において外来初診患者エスコート実習を行っている. 学生は患者の新来受付から帰宅の途につくまでの全戸程に原則同行する. 本実習が学生の臨床医学勉学への動機づけになり, 患者側に戸大な負担や悪い印象を与えていないことを検証することを目的とした. 1) 本実習に関し学生及び協力患者双方に対しほぼ同内容のアンケートを行い, 意識調査を行った. 2) 学生のレポートでは待ち時間の長さや病院の構造上の問題を指摘するものが最も多く, 次いで医師の患者に対する態度について述べたものが多かった. 3) アンケートの結果では患者側, 学生側とも本実習の意...

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Published in医学教育 Vol. 39; no. 1; pp. 1 - 11
Main Authors 伊藤, 聡, 森田, 倫子, 大塚, 藤男, 後藤, 大輔, 住田, 孝之, 中山, 凱夫, 高屋敷, 明由美, 松本, 功, 堤, 明人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医学教育学会 2008
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ISSN0386-9644
2185-0453
DOI10.11307/mededjapan1970.39.1

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Summary:筑波大学医学専門学群医学類では1年生を対象に筑波大学附属病院において外来初診患者エスコート実習を行っている. 学生は患者の新来受付から帰宅の途につくまでの全戸程に原則同行する. 本実習が学生の臨床医学勉学への動機づけになり, 患者側に戸大な負担や悪い印象を与えていないことを検証することを目的とした. 1) 本実習に関し学生及び協力患者双方に対しほぼ同内容のアンケートを行い, 意識調査を行った. 2) 学生のレポートでは待ち時間の長さや病院の構造上の問題を指摘するものが最も多く, 次いで医師の患者に対する態度について述べたものが多かった. 3) アンケートの結果では患者側, 学生側とも本実習の意義を高く評価していた. 4) 患者側, 学生側のアンケートの結果間に著明な不一致はなく, むしろ患者側に本実習の意義を高く評価する傾向が見られた. 長時間他人が横にいることが多少ストレスになったとするコメントが1件みられた. 5) 大学附属病院に対する期待や不安, 医師や医学生に対する思いといった患者の心情に接することが可能な本実習は早期体験プログラムの一環として適切であると思われた.
ISSN:0386-9644
2185-0453
DOI:10.11307/mededjapan1970.39.1