頭頸部癌の外部放射線治療による白血球減少症に対するCepharanthin ®投与の臨床効果

頭頸部癌に対する放射線治療は治療成績や機能温存の点から有用な治療法である1. 近年, 定位放射線治療や化学放射線治療の進歩により患者のQOLを損なわないこれらの治療方法が導入されている. しかしながら, 頭頸部癌に対する放射線治療の有害事象として粘膜炎, 唾液分泌障害, 味覚障害, 造血障害などを引き起こすことが知られている2. 特に白血球減少による易感染症, 免疫機能低下は, 放射線治療において計画線量照射の中断を余儀なくされ, 期待した治療効果が得られない場合すら生じる3. Cepharanthin(R)はツヅラフジ科植物タマサキツヅラフジの根茎から抽出精製したビスコクラウリン型アルカロイ...

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Published in歯科放射線 Vol. 45; no. 1; pp. 17 - 22
Main Authors 玉木, 順子, 中谷, 温紀, 古川, 惣平, 内山, 百夏, 村上, 秀明, 蒲生, 祥子, 柿本, 直也, 大園, 航平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会 30.03.2005
日本歯科放射線学会
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ISSN0389-9705
2185-6311
DOI10.11242/dentalradiology1960.45.17

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Summary:頭頸部癌に対する放射線治療は治療成績や機能温存の点から有用な治療法である1. 近年, 定位放射線治療や化学放射線治療の進歩により患者のQOLを損なわないこれらの治療方法が導入されている. しかしながら, 頭頸部癌に対する放射線治療の有害事象として粘膜炎, 唾液分泌障害, 味覚障害, 造血障害などを引き起こすことが知られている2. 特に白血球減少による易感染症, 免疫機能低下は, 放射線治療において計画線量照射の中断を余儀なくされ, 期待した治療効果が得られない場合すら生じる3. Cepharanthin(R)はツヅラフジ科植物タマサキツヅラフジの根茎から抽出精製したビスコクラウリン型アルカロイドを含有する製剤であり4, 造血障害および白血球減少に対する予防処置として投薬されている5,6. 白血球減少症に対するCepharanthin(R)の投与量に関しては, 健常成人にタマサキツヅラフジ抽出アルカロイドとして1日3~6mgとされているものの, 臨床効果を期待して1日30mgや60mg, 90mgが投与され, その有用性および安全性が示されている7,8.
ISSN:0389-9705
2185-6311
DOI:10.11242/dentalradiology1960.45.17