原子間力顕微鏡法を用いた植物細胞の力学計測

植物構造が司る環境適応性を理解する上で,構成する個々の細胞の力学状態を知ることは本質的な課題である.原子間力顕微鏡法(AFM)は,細胞レベルの力学状態を評価するための有力な手段であり,近年注目されている.本稿では,AFMの基本原理と,その計測から細胞の弾性率を推定する方法について説明する.AFMにより植物細胞の力学状態を経時的に測定するためには,植物の成長を妨げずに,試料を基板に固定しなければならない.この問題解決のためにマイクロデバイスを固定基板として適用した我々の研究例も合わせて紹介する....

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Published inPLANT MORPHOLOGY Vol. 33; no. 1; pp. 41 - 45
Main Authors 岡野, 和宣, 細川, 陽一郎, 秋田, 絵理, 山﨑, 勇輝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本植物形態学会 2021
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ISSN0918-9726
1884-4154
DOI10.5685/plmorphol.33.41

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Summary:植物構造が司る環境適応性を理解する上で,構成する個々の細胞の力学状態を知ることは本質的な課題である.原子間力顕微鏡法(AFM)は,細胞レベルの力学状態を評価するための有力な手段であり,近年注目されている.本稿では,AFMの基本原理と,その計測から細胞の弾性率を推定する方法について説明する.AFMにより植物細胞の力学状態を経時的に測定するためには,植物の成長を妨げずに,試料を基板に固定しなければならない.この問題解決のためにマイクロデバイスを固定基板として適用した我々の研究例も合わせて紹介する.
ISSN:0918-9726
1884-4154
DOI:10.5685/plmorphol.33.41