結腸癌原発巣切除後10年6カ月後に出現した肝転移の1例

症例は54歳,男性.右季肋部痛のため近医受診し,肝腫瘍を指摘され,精査のため当院紹介となった.10年6カ月前に当科で上行結腸癌の診断で結腸右半切除を施行していた.腹部CT検査で肝右葉に15cmの巨大な腫瘍を認めた.転移性肝癌もしくは胆管細胞癌の疑いにて肝右葉切除を行った.病理所見では前回の大腸癌と類似した腺癌で,免疫組織染色ではEMA,CK20,CEAは陽性でCK7は陰性で,大腸,肝とも同一の形質であり,大腸癌の肝転移と診断した.大腸癌術後5年以上経過して,肝転移が出現することは稀である.大腸癌術後10年6カ月後に出現した肝転移の切除例を経験したので文献的考察を加え報告する....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 69; no. 4; pp. 883 - 885
Main Authors 清水, 香里, 濱崎, 景子, 田村, 和貴, 中崎, 隆行, 谷口, 英樹, 高原, 耕, 進藤, 久和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2008
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.69.883

Cover

More Information
Summary:症例は54歳,男性.右季肋部痛のため近医受診し,肝腫瘍を指摘され,精査のため当院紹介となった.10年6カ月前に当科で上行結腸癌の診断で結腸右半切除を施行していた.腹部CT検査で肝右葉に15cmの巨大な腫瘍を認めた.転移性肝癌もしくは胆管細胞癌の疑いにて肝右葉切除を行った.病理所見では前回の大腸癌と類似した腺癌で,免疫組織染色ではEMA,CK20,CEAは陽性でCK7は陰性で,大腸,肝とも同一の形質であり,大腸癌の肝転移と診断した.大腸癌術後5年以上経過して,肝転移が出現することは稀である.大腸癌術後10年6カ月後に出現した肝転移の切除例を経験したので文献的考察を加え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.69.883