若年者における高血圧と肥満の関連:最近の11年間の推移
2008年から11年間の大学新入生の健診成績を分析し,BMIと血圧の関係を調べた。血圧区分は高血圧治療ガイドライン2014に準拠した。肥満は25≦BMI<30のI度と,30≦BMIのII度以上に分け,普通体重は18.5≦BMI<22と22≦BMI<25に分けた。低体重はBMI<18.5とした。男では,普通体重の両区分とII度以上肥満者で高血圧有病率が有意に低下した。女の高血圧有病率は,II度以上肥満者で有意に低下した。男では,BMIと血圧の回帰直線の傾きが収縮期,拡張期ともに有意の低下を示した。BMIの寄与率は,拡張期血圧について有意に低下した。女では,上述の回帰直線の...
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Published in | 人間科学 Vol. 3; pp. 71 - 79 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
九州産業大学 人間科学会
2021
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2434-4753 |
DOI | 10.32223/hsksu.3.0_71 |
Cover
Summary: | 2008年から11年間の大学新入生の健診成績を分析し,BMIと血圧の関係を調べた。血圧区分は高血圧治療ガイドライン2014に準拠した。肥満は25≦BMI<30のI度と,30≦BMIのII度以上に分け,普通体重は18.5≦BMI<22と22≦BMI<25に分けた。低体重はBMI<18.5とした。男では,普通体重の両区分とII度以上肥満者で高血圧有病率が有意に低下した。女の高血圧有病率は,II度以上肥満者で有意に低下した。男では,BMIと血圧の回帰直線の傾きが収縮期,拡張期ともに有意の低下を示した。BMIの寄与率は,拡張期血圧について有意に低下した。女では,上述の回帰直線の傾きと寄与率が,収縮期,拡張期ともに有意に低下した。2014,15,17年には,拡張期血圧に対するBMIの寄与は有意ではなかった。食塩摂取量が未調整だが,若年者では,高血圧への肥満の寄与が近年になって低下した可能性がある。 |
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ISSN: | 2434-4753 |
DOI: | 10.32223/hsksu.3.0_71 |