Aspergillus oryzaeを用いたエアリフトリアクターによるカッサバデンプン製造排水の生物処理

Aspergillus oryzaeペレット (菌糸凝塊) を用いたエアリフトリアクター (ALR) により、カッサバデンプン製造排水の回分処理を検討した。A. oryzaeの胞子をALRに植菌した場合綿毛状の小ペレットが形成されたが、菌糸体を植種した場合では菌糸密度の高い球状のペレットが形成された。後者は、ALR内での菌体の流動と処理後の固液分離に適した形態であった。処理時間、通気速度および培地組成はペレット菌糸の分断化に大きく影響を及ぼした。窒素源として0.50~0.75 g l -1の硫酸アンモニウムを添加することで、ALRによる処理効率とバイオマス生産率が改善され、COD 8,700~...

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Published in日本水処理生物学会誌 Vol. 41; no. 1; pp. 25 - 39
Main Authors 宮田, 直幸, 岩堀, 恵祐
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本水処理生物学会 2005
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ISSN0910-6758
1881-0438
DOI10.2521/jswtb.41.25

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Summary:Aspergillus oryzaeペレット (菌糸凝塊) を用いたエアリフトリアクター (ALR) により、カッサバデンプン製造排水の回分処理を検討した。A. oryzaeの胞子をALRに植菌した場合綿毛状の小ペレットが形成されたが、菌糸体を植種した場合では菌糸密度の高い球状のペレットが形成された。後者は、ALR内での菌体の流動と処理後の固液分離に適した形態であった。処理時間、通気速度および培地組成はペレット菌糸の分断化に大きく影響を及ぼした。窒素源として0.50~0.75 g l -1の硫酸アンモニウムを添加することで、ALRによる処理効率とバイオマス生産率が改善され、COD 8,700~8,900 mg l -1を含む排水の4日間の処理において、TOC除去率 : 76%、COD除去率 : 84%、デンプン除去率 : 93%、バイオマス生産率 : 0.57 g (g-COD)-1、バイオマスタンパク質含量 : 34%の各成績を得ることができた。また窒素源の添加により、ペレット菌糸の分断化を大きく抑制できることが示された。さらに、総括酸素移動容量係数 (KLa) に着目することにより、ALRによる回分処理における適切な初期COD負荷量を推定できることが示唆され、これにより、窒素源添加の条件では、COD濃度10,000 mg l -1 (デンプン濃度12,000 mg l -1) 以下のデンプン排水を効率的に処理できると推察された。
ISSN:0910-6758
1881-0438
DOI:10.2521/jswtb.41.25