アスパラガスの1年株における貯蔵根Brix値測定法の提案

アスパラガスの栽培管理において,その貯蔵根Brix値(可溶性固形物含量)を把握することは重要であるが,その測定方法は統一されていない.そこで,最適な貯蔵根Brix値測定法の提案を目的とし,アスパラガス1年株の根株における貯蔵根Brix値の分布と変動を調査するとともに,測定に用いる貯蔵根の搾汁液を採取する工程を容易にする手段として,凍結・解凍により貯蔵根を軟化させる方法について検討した.その結果,定植から収穫終了までの半年間の調査期間を通じて30cm長の貯蔵根の鱗芽基部から10cmの範囲におけるBrix値は根株全体の平均値をほぼ反映することが明らかとなった.また,貯蔵根をそのまま搾って測定した場...

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Published in根の研究 Vol. 21; no. 1; pp. 11 - 16
Main Authors 山崎, 篤, 北澤, 裕明, 浦上, 敦子, 元木, 悟
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 根研究学会 2012
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ISSN0919-2182
1880-7186
DOI10.3117/rootres.21.11

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Summary:アスパラガスの栽培管理において,その貯蔵根Brix値(可溶性固形物含量)を把握することは重要であるが,その測定方法は統一されていない.そこで,最適な貯蔵根Brix値測定法の提案を目的とし,アスパラガス1年株の根株における貯蔵根Brix値の分布と変動を調査するとともに,測定に用いる貯蔵根の搾汁液を採取する工程を容易にする手段として,凍結・解凍により貯蔵根を軟化させる方法について検討した.その結果,定植から収穫終了までの半年間の調査期間を通じて30cm長の貯蔵根の鱗芽基部から10cmの範囲におけるBrix値は根株全体の平均値をほぼ反映することが明らかとなった.また,貯蔵根をそのまま搾って測定した場合と凍結・解凍を経た後に搾って測定した場合とでの測定値の比較において,大きな変化はみられなかった.以上より,アスパラガスの1年株における貯蔵根Brix値を調査する方法として,30cm長の貯蔵根の鱗芽基部から10cmの範囲より根サンプルを採取し,凍結・解凍を経た後に測定する手順を提案する.
ISSN:0919-2182
1880-7186
DOI:10.3117/rootres.21.11