ICTを用いた産業廃棄物焼却プラント機材の予防保全モニタリング手法の開発とその効果

社会インフラの保全の高度化に向けてICTやAIを適用する取り組みが進みつつある。産業廃棄物の静脈サプライチェーンの中で,産業廃棄物の焼却は特に技術・装置の寄与が大きい。施設や保有機器や人材に十分な余裕がない中,施設の稼働率を高め,かつ長期にわたり,一定の技術水準・品質を維持しつつ操業する必要があるという課題を抱えている。本研究では,産業廃棄物焼却プラントを対象として,ICTを用いることにより,送風機とBFろ布の予防保全モニタリングに関する実証試験を行うとともに,維持費用削減効果の推計を試みた。まず,送風機の振動加速度およびBF差圧についてデータの計測,処理,記録,遠隔転送について一連の機能を有...

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Published in環境科学会誌 Vol. 35; no. 5; pp. 292 - 303
Main Authors 山田, 崇雄, 中尾, 彰文, 吉田, 登, 和田, 俊和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 環境科学会 30.09.2022
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ISSN0915-0048
1884-5029
DOI10.11353/sesj.35.292

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Summary:社会インフラの保全の高度化に向けてICTやAIを適用する取り組みが進みつつある。産業廃棄物の静脈サプライチェーンの中で,産業廃棄物の焼却は特に技術・装置の寄与が大きい。施設や保有機器や人材に十分な余裕がない中,施設の稼働率を高め,かつ長期にわたり,一定の技術水準・品質を維持しつつ操業する必要があるという課題を抱えている。本研究では,産業廃棄物焼却プラントを対象として,ICTを用いることにより,送風機とBFろ布の予防保全モニタリングに関する実証試験を行うとともに,維持費用削減効果の推計を試みた。まず,送風機の振動加速度およびBF差圧についてデータの計測,処理,記録,遠隔転送について一連の機能を有するモニタリングシステムを構築し,産業廃棄物焼却プラントにおける実証試験を行った。次に,取得されたデータをもとに非線形回帰分析手法の1つであるガウス過程回帰を用いて正常値を推定し,計測値との乖離度合いを異常度として判定する分析を行い,異常度判定の精度を担保するために,一定のサンプリング周期が必要となることを示した。最後に,処理規模に対応した送風機とBFろ布の維持管理費用を推計して,機材の耐用年数を延伸することによる維持管理費用の削減効果を求めた。それぞれのモニタリングシステムの運用費用と比較し,予防保全モニタリングによる費用対効果について考察した。
ISSN:0915-0048
1884-5029
DOI:10.11353/sesj.35.292