VII.脳血管病予防

脳卒中の中で脂質異常が最も関与するのは脳梗塞,なかでもアテローム硬化を基盤とした脳梗塞である.動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022ではアテローム硬化を合併した脳梗塞の再発予防には厳格な脂質管理,LDL-C 100 mg/dl未満,が推奨されている.脳梗塞患者を診療するにあたっては,脳梗塞病型の判断とともに,脳へ潅流する血管の動脈硬化の合併の有無を評価することが,脂質管理を考える上で重要である.さらにLDL-C管理以外の残余リスクとして,高中性脂肪血症,低HDL-C血症を示すアテローム性脂質異常血症(atherogenic dyslipidemia),血管炎症マーカーにも注意する必要がある....

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Bibliographic Details
Published in日本内科学会雑誌 Vol. 112; no. 2; pp. 202 - 208
Main Author 北川, 一夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.02.2023
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.112.202

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Summary:脳卒中の中で脂質異常が最も関与するのは脳梗塞,なかでもアテローム硬化を基盤とした脳梗塞である.動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022ではアテローム硬化を合併した脳梗塞の再発予防には厳格な脂質管理,LDL-C 100 mg/dl未満,が推奨されている.脳梗塞患者を診療するにあたっては,脳梗塞病型の判断とともに,脳へ潅流する血管の動脈硬化の合併の有無を評価することが,脂質管理を考える上で重要である.さらにLDL-C管理以外の残余リスクとして,高中性脂肪血症,低HDL-C血症を示すアテローム性脂質異常血症(atherogenic dyslipidemia),血管炎症マーカーにも注意する必要がある.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.112.202