III.心不全の治療 3.慢性心不全薬物治療の新しいトピックス

本邦における慢性心不全の標準治療薬は,レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系阻害薬やβ遮断薬,利尿薬等古典的な薬剤が中心である.次々に新規薬剤が上市される腫瘍領域とは対照的に,新規の慢性心不全治療薬はここ数年,登場していない.その背景には,心不全が多彩な病因・病態を基盤とした症候群であり,そのために,特異的な治療薬の開発が困難であったことが関連していると想定される.しかし近年,心不全の薬物療法には,いくつかの新たな動きがみられている....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本内科学会雑誌 Vol. 109; no. 2; pp. 215 - 223
Main Authors 田中, 敦史, 野出, 孝一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.02.2020
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.109.215

Cover

More Information
Summary:本邦における慢性心不全の標準治療薬は,レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系阻害薬やβ遮断薬,利尿薬等古典的な薬剤が中心である.次々に新規薬剤が上市される腫瘍領域とは対照的に,新規の慢性心不全治療薬はここ数年,登場していない.その背景には,心不全が多彩な病因・病態を基盤とした症候群であり,そのために,特異的な治療薬の開発が困難であったことが関連していると想定される.しかし近年,心不全の薬物療法には,いくつかの新たな動きがみられている.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.109.215