室内空気中ホルムアルデヒド測定用簡易測定器(FP-30型)による測定値の信頼性と法規制(2003年)後のホルムアルデヒド濃度測定例
室内空気中のホルムアルデヒド(HCHO)濃度を測定する簡易測定器が市販されている。その測定器の信頼性を確認した上で, 手軽にHCHOを測定することは, 地域住民の健康保持のためには有用なことと思われる。そのためにHCHO測定用簡易測定器である試験紙光電光度計法を測定原理とするFP-30型(理研計器KK)による測定値の信頼性を検討した。測定値の反復再現性(n=10)の変動係数は7.5%, 標準法(DNPH誘導体化固相吸着/溶媒抽出-HPLC法)との相関係数はr=0.958であった。また標準法で測定したHCHO濃度をx, FP-30型で測定したHCHO濃度をyとすると, 回帰直線はy=0.825x...
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Published in | 室内環境学会誌 Vol. 9; no. 1; pp. 45 - 50 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 室内環境学会
2006
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ISSN | 2186-4314 |
DOI | 10.11510/siej1998.9.1_45 |
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Summary: | 室内空気中のホルムアルデヒド(HCHO)濃度を測定する簡易測定器が市販されている。その測定器の信頼性を確認した上で, 手軽にHCHOを測定することは, 地域住民の健康保持のためには有用なことと思われる。そのためにHCHO測定用簡易測定器である試験紙光電光度計法を測定原理とするFP-30型(理研計器KK)による測定値の信頼性を検討した。測定値の反復再現性(n=10)の変動係数は7.5%, 標準法(DNPH誘導体化固相吸着/溶媒抽出-HPLC法)との相関係数はr=0.958であった。また標準法で測定したHCHO濃度をx, FP-30型で測定したHCHO濃度をyとすると, 回帰直線はy=0.825x+0.013(n=19)であった。 建築基準法で平成15年(2003年)7月にHCHOの発散建築材料が規制されたが, その法規制後に新築された木造住宅, 及び同時期に現存していた鉄筋コンクリートビルデイング(ビル)内の室内空気中HCHO濃度を, その一例として測定した。その測定に信頼性を検討した簡易測定器(FP-30型)を用いた。 法規制の約1年後にあたる平成16年(2004年)8月に新築された木造住宅3棟のHCHO濃度は, 0.035~0.090ppm(平均0.058ppm)であった。また建築後10年経過, 2年経過したビルのHCHO濃度は, それぞれ0.040~0.165ppm, 0.040~0.220ppmであった。 法規制後であっても、新築住宅ではHCHOの濃度指針値である0.08ppm付近のHCHOが測定され, また既存のビルでは濃度指針値の2倍を越えるHCHOが測定された。 |
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ISSN: | 2186-4314 |
DOI: | 10.11510/siej1998.9.1_45 |