軽油を溶媒とした木質バイオマスの直接液化による軽油混合燃料の製造

木質バイオマスは化石代替資源として注目されている。しかしながらバイオマスは広く偏在しており,これを収集するためにはコストがかかる。従って,木質バイオマスが排出される場所の近くで軽油代替燃料を製造することが望ましい。そこで,溶媒として軽油を使用した木質バイオマスの熱分解挙動を明らかにするため,セルロースとリグニンを用いた実験を行った。また,木質バイオマスから得られた軽油混合燃料の物性および燃焼特性について検討した。その結果,軽油を溶媒として用いた場合もセルロースやリグニンの単位構造から得られた化合物が熱分解によって生成することが判明した。溶媒比を低下させると軽油混合燃料中の木材由来成分濃度が上昇...

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Published in日本エネルギー学会誌 Vol. 93; no. 10; pp. 1000 - 1004
Main Authors 平野, 勝巳, 伊藤, 拓哉, 角田, 雄亮, 森, 健太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本エネルギー学会 2014
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ISSN0916-8753
1882-6121
DOI10.3775/jie.93.1000

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Summary:木質バイオマスは化石代替資源として注目されている。しかしながらバイオマスは広く偏在しており,これを収集するためにはコストがかかる。従って,木質バイオマスが排出される場所の近くで軽油代替燃料を製造することが望ましい。そこで,溶媒として軽油を使用した木質バイオマスの熱分解挙動を明らかにするため,セルロースとリグニンを用いた実験を行った。また,木質バイオマスから得られた軽油混合燃料の物性および燃焼特性について検討した。その結果,軽油を溶媒として用いた場合もセルロースやリグニンの単位構造から得られた化合物が熱分解によって生成することが判明した。溶媒比を低下させると軽油混合燃料中の木材由来成分濃度が上昇した。また,保持時間を延長させるとこの濃度はさらに上昇した。軽油混合燃料の物性はJIS 規格の一部に適合することが判明した。
ISSN:0916-8753
1882-6121
DOI:10.3775/jie.93.1000