酸化ダイヤモンド担持触媒を用いたメタンの部分酸化反応による合成ガス生成-ニッケルおよびコバルトの触媒挙動

メタンの部分酸化反応における酸化ダイヤモンド担持ニッケルおよびコバルト触媒(Ni/O-dia触媒およびCo/O-dia触媒)のキャラクタリゼーションをXPS(X-ray photoelectron spectroscopy)およびtransient response法を用いて行った。 873 Kでのメタンの部分酸化反応において,Co/O-dia触媒を用いたときには触媒表面上への炭素析出は見られなかったが,Ni/O-dia触媒を用いたときには炭素が析出した。各反応後の触媒をXPSで分析すると,Ni/O-dia触媒では部分的に還元された酸化ニッケル種が認められ,Co/O-dia触媒では0価のコバル...

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Published inJournal of the Japan Petroleum Institute Vol. 48; no. 5; pp. 290 - 300
Main Authors 小西, 亨, 鈴木, 俊光, 西本, 博晃, 中川, 清晴, 池永, 直樹
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 石油学会 2005
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ISSN1346-8804
1349-273X
DOI10.1627/jpi.48.290

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Summary:メタンの部分酸化反応における酸化ダイヤモンド担持ニッケルおよびコバルト触媒(Ni/O-dia触媒およびCo/O-dia触媒)のキャラクタリゼーションをXPS(X-ray photoelectron spectroscopy)およびtransient response法を用いて行った。 873 Kでのメタンの部分酸化反応において,Co/O-dia触媒を用いたときには触媒表面上への炭素析出は見られなかったが,Ni/O-dia触媒を用いたときには炭素が析出した。各反応後の触媒をXPSで分析すると,Ni/O-dia触媒では部分的に還元された酸化ニッケル種が認められ,Co/O-dia触媒では0価のコバルト,部分的に還元された酸化コバルト種および酸化コバルト(III)の存在が確認された。一方,873 Kに保持した触媒にメタンのみを供給したところ,Ni/O-dia触媒ではメタン供給と同時に多量の水素が生成したが,Co/O-dia触媒ではわずかな量の水素しか生成しなかった。さらに,メタン/酸素混合ガス(2 : 1)をパルスで供給したところ,Ni/O-dia触媒では吸熱が起こり,Co/O-dia触媒では発熱が起こった。以上のことを考え合わせると,Ni/O-dia触媒ではまずメタンの分解によって水素が生成し,残った炭素種が酸素と反応し一酸化炭素が生成するものと考えられる。Co/O-dia触媒ではメタンの完全酸化が起こり,生成した水および二酸化炭素によるメタンの改質反応によって合成ガスが生成するものと考えられる。
ISSN:1346-8804
1349-273X
DOI:10.1627/jpi.48.290