最近傍を規範とする条件での角度モデルでの包囲

近年,自律型ロボットによる包囲行動が注目されている.管理者から離れた領域で活動することが多く,故障や不測の事態に対処できるよう,より多くの台数を同時に運用できることが望ましい.しかし,これには高い個体識別能力をロボットが具備していることが必要であることが多く,実際のところ多くの台数を運用することは容易ではない.そこで,本研究では個体識別能力が不要な包囲モデルを実現するために,高山らの提案する包囲モデルが最近傍ロボットを規範とする条件でも包囲が達成できることを示す.元来このモデルは各ロボットが群の中の特定のメンバを規範として行動決定しており,個体識別能力が必要であるが,最も近いロボットを規範とす...

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Published in知能と情報 Vol. 24; no. 3; pp. 778 - 790
Main Authors 松原, 隆, 吉村, 達郎, 山口, 明宏, 久保, 正男, 佐藤, 浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本知能情報ファジィ学会 2012
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ISSN1347-7986
1881-7203
DOI10.3156/jsoft.24.778

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Summary:近年,自律型ロボットによる包囲行動が注目されている.管理者から離れた領域で活動することが多く,故障や不測の事態に対処できるよう,より多くの台数を同時に運用できることが望ましい.しかし,これには高い個体識別能力をロボットが具備していることが必要であることが多く,実際のところ多くの台数を運用することは容易ではない.そこで,本研究では個体識別能力が不要な包囲モデルを実現するために,高山らの提案する包囲モデルが最近傍ロボットを規範とする条件でも包囲が達成できることを示す.元来このモデルは各ロボットが群の中の特定のメンバを規範として行動決定しており,個体識別能力が必要であるが,最も近いロボットを規範とすることによって個体を識別する必要がなくなる.ただし,最近傍のロボットを規範にすると群全体が非連結な構造になりやすく,包囲の可否が従来明らかでなかった.この疑問に対し,以下では少数台の場合についてはスイッチドシステムの結果を利用して解析的に,また多数台の場合については計算機実験で包囲が可能であることを明らかにしている.
ISSN:1347-7986
1881-7203
DOI:10.3156/jsoft.24.778