パッシブフラックスサンプラー (PFS) を用いた化学物質放散特性の解析方法

建材や家具からの化学物質の放散フラックスを簡易にサンプリングするツールとして, 我々はパッシブフラックスサンプラー (Passive Flux Sampler: PFS) の開発を行ってきた。本論文では, PFSを用いて, 室内に多数存在する汚染源の候補の中から主要な汚染源を特定する際の方法論について述べている。また, 化学物質の放散フラックスは, 建材の置かれた流体力学的な環境の違いによって変化する場合があるが, PFSの気相拡散距離を変化させることによって, その変化を予測することができる。建材試験片を用いた測定により, 「最大放散フラックス」, 「平衡濃度」, 「減衰速度定数」, 「みか...

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Published in室内環境学会誌 Vol. 7; no. 2; pp. 17 - 24
Main Authors 常名, 美貴, 熊谷, 一清, 篠原, 直秀, 柳沢, 幸雄, 藤井, 実, 落合, 聖史, 義之, 信司, 村瀬, 陽子, 甲斐, 雄也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 室内環境学会 2004
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ISSN2186-4314
DOI10.11510/siej1998.7.2_17

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Summary:建材や家具からの化学物質の放散フラックスを簡易にサンプリングするツールとして, 我々はパッシブフラックスサンプラー (Passive Flux Sampler: PFS) の開発を行ってきた。本論文では, PFSを用いて, 室内に多数存在する汚染源の候補の中から主要な汚染源を特定する際の方法論について述べている。また, 化学物質の放散フラックスは, 建材の置かれた流体力学的な環境の違いによって変化する場合があるが, PFSの気相拡散距離を変化させることによって, その変化を予測することができる。建材試験片を用いた測定により, 「最大放散フラックス」, 「平衡濃度」, 「減衰速度定数」, 「みかけの活性化エネルギー」, 「建材厚さ比例係数」, 「限界内部拡散フラックス」の各パラメータを求めることで, 建材の化学物質放散特性を必要な範囲である程度捉えることができると考えられる。
ISSN:2186-4314
DOI:10.11510/siej1998.7.2_17