放射性トレーサーを用いた植物体内元素のライブイメージング装置の開発

生きたままの植物を用いて植物体内を動く放射性トレーサーを可視化することで,刻々と変化する体内元素の動態を定量的に解析できるシステムを筆者らは構築してきた.本システムは様々な種類の放射性トレーサーの可視化が可能であり,多種多様な元素の動態を追跡できる.視野範囲に応じて二種類のシステムを開発した.広視野撮影システムは視野範囲;20 x 10 cm,解像度;ミリオーダーであり,顕微鏡撮影システムは視野範囲;600 x 600 μm,解像度;100 μmである.この二つのシステムは生きた植物を解析の対象とすることから,撮影中に植物の生育環境に変化を与え,環境変化に対する植物応答を解析することが可能であ...

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Published inPLANT MORPHOLOGY Vol. 33; no. 1; pp. 9 - 13
Main Author 杉田, 亮平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本植物形態学会 2021
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ISSN0918-9726
1884-4154
DOI10.5685/plmorphol.33.9

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Summary:生きたままの植物を用いて植物体内を動く放射性トレーサーを可視化することで,刻々と変化する体内元素の動態を定量的に解析できるシステムを筆者らは構築してきた.本システムは様々な種類の放射性トレーサーの可視化が可能であり,多種多様な元素の動態を追跡できる.視野範囲に応じて二種類のシステムを開発した.広視野撮影システムは視野範囲;20 x 10 cm,解像度;ミリオーダーであり,顕微鏡撮影システムは視野範囲;600 x 600 μm,解像度;100 μmである.この二つのシステムは生きた植物を解析の対象とすることから,撮影中に植物の生育環境に変化を与え,環境変化に対する植物応答を解析することが可能である.本システムによる可視化は,植物栄養学分野のみならずバイオサイエンスの幅広い分野への適用が期待される.
ISSN:0918-9726
1884-4154
DOI:10.5685/plmorphol.33.9