植物組織の空隙率測定方法―1.比重瓶法

根における通気組織の形成量は,植物の耐湿性強弱を判断する一つの指標とすることができ,この評価法として根に占める細胞間隙の割合 (空隙率) が利用されている.空隙率の測定には,比重瓶法,アルキメデス法および横断切片の観察による切片法がある.比重瓶法は,4回の重量測定で空隙率を算出できる.しかし,比重瓶は一定体積の試料を正確にはかりとる容器であるため,一定の温度下で取り扱うことが必須であり,比重・密度の測定には非常に繊細な作業を必要とする.ここでは,比重瓶法による空隙率の測定を容易にできるように,論文などではあまり記載されていない測定の注意点やテクニックを詳しく解説する....

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Bibliographic Details
Published in根の研究 Vol. 30; no. 1; pp. 8 - 12
Main Authors 山内, 卓樹, 島村, 聡, 塩野, 克宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 根研究学会 20.03.2021
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ISSN0919-2182
1880-7186
DOI10.3117/rootres.30.8

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Summary:根における通気組織の形成量は,植物の耐湿性強弱を判断する一つの指標とすることができ,この評価法として根に占める細胞間隙の割合 (空隙率) が利用されている.空隙率の測定には,比重瓶法,アルキメデス法および横断切片の観察による切片法がある.比重瓶法は,4回の重量測定で空隙率を算出できる.しかし,比重瓶は一定体積の試料を正確にはかりとる容器であるため,一定の温度下で取り扱うことが必須であり,比重・密度の測定には非常に繊細な作業を必要とする.ここでは,比重瓶法による空隙率の測定を容易にできるように,論文などではあまり記載されていない測定の注意点やテクニックを詳しく解説する.
ISSN:0919-2182
1880-7186
DOI:10.3117/rootres.30.8