生理活性物質添加によるアンモニア酸化能の高度化
本研究では、独立栄養アンモニア酸化細菌における細胞膜での電子伝達と細胞質でのCO2固定カルビン回路を仲介するNAD+やNADP+のような補酵素に着目し、排水処理システムにおけるアンモニア酸化細菌の増殖とアンモニアの酸化について検討を行った。排水にNAD+やNADP+を添加したNitrosomonas europaea IFO 14298の培養では、コントロールと比較して1.6-1.9倍アンモニア酸化速度が増加し、同様に、活性汚泥に添加した場合においてもアンモニア酸化量、アンモニア酸化細菌数が増加した。アンモニア酸化活性と類似したアンモニアモノオキシゲナーゼをコードするmRNA (amoA-mR...
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          | Published in | 日本水処理生物学会誌 Vol. 41; no. 1; pp. 9 - 15 | 
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| Main Authors | , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | English | 
| Published | 
            日本水処理生物学会
    
        2005
     | 
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| ISSN | 0910-6758 1881-0438  | 
| DOI | 10.2521/jswtb.41.9 | 
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| Summary: | 本研究では、独立栄養アンモニア酸化細菌における細胞膜での電子伝達と細胞質でのCO2固定カルビン回路を仲介するNAD+やNADP+のような補酵素に着目し、排水処理システムにおけるアンモニア酸化細菌の増殖とアンモニアの酸化について検討を行った。排水にNAD+やNADP+を添加したNitrosomonas europaea IFO 14298の培養では、コントロールと比較して1.6-1.9倍アンモニア酸化速度が増加し、同様に、活性汚泥に添加した場合においてもアンモニア酸化量、アンモニア酸化細菌数が増加した。アンモニア酸化活性と類似したアンモニアモノオキシゲナーゼをコードするmRNA (amoA-mRNA) 量もこれらの生理活性物質の存在下において増加した。NAD+やNADP+の添加によって影響を受けるアンモニア酸化細菌の種類をamoA-mRNAをターゲットに、制限酵素TaqIを用いたT-RFLP法によって解析した。その結果、NAD+やNADP+の添加によって、それぞれ219bpと491bpのフラグメントサイズを持つ別々のアンモニア酸化細菌のamoA-mRNAが増加を示した。これらの結果は、NAD+やNADP+を活性汚泥系に添加することによりアンモニア酸化能を高度化させ、またアンモニア酸化細菌を選択的に増加させることができることを示唆している。 | 
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| ISSN: | 0910-6758 1881-0438  | 
| DOI: | 10.2521/jswtb.41.9 |