公共職業安定所における求職者カウンセリングのプロセスに関する探索的研究

本研究では公共職業安定所の熟練キャリアカウンセラー(以下,CC)が,就職上の課題があると見受けられる求職者(以下,CL)に対してどのようなプロセスで支援をしているのか,仮説生成することを目的とした。公共職業安定所内で評判が良い支援歴6年以上のCC8名に半構造化面接を実施し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(以下,M-GTA)により分析した。その結果42個の概念,9個のカテゴリが生成された。公共職業安定所の熟練CCは,CLの職務経験に応じて【義務感や怖れを意欲に変える就活準備】や,【徐々に本音に向き合い本音から糧を得る就活準備】を行い,人間関係向上のヒントの提供,主体性や本来感の醸成等...

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Published in人間科学 Vol. 6; pp. 22 - 37
Main Authors 福田, 尚法, 永野, 浩二, 福盛, 英明, 平井, 達也, 森川, 友子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州産業大学 人間科学会 2024
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ISSN2434-4753
DOI10.32223/hsksu.6.0_22

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Summary:本研究では公共職業安定所の熟練キャリアカウンセラー(以下,CC)が,就職上の課題があると見受けられる求職者(以下,CL)に対してどのようなプロセスで支援をしているのか,仮説生成することを目的とした。公共職業安定所内で評判が良い支援歴6年以上のCC8名に半構造化面接を実施し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(以下,M-GTA)により分析した。その結果42個の概念,9個のカテゴリが生成された。公共職業安定所の熟練CCは,CLの職務経験に応じて【義務感や怖れを意欲に変える就活準備】や,【徐々に本音に向き合い本音から糧を得る就活準備】を行い,人間関係向上のヒントの提供,主体性や本来感の醸成等,社会人力を育てるような育成的アプローチをとっていくことが示唆された。また,熟練CCの特徴として,徹底したCL受容や,先々に生きるような学びの重視,具体的方策への落とし込みが示唆された。
ISSN:2434-4753
DOI:10.32223/hsksu.6.0_22