外科的治療を実施した膵ガストリノーマの猫の1例

13歳、去勢雄、ラパーマの猫が嘔吐頻度の増加を主訴に来院した。腹部超音波検査では膵臓の左葉領域に直径約1 cmの結節状陰影を認め、さらに絶食時血清ガストリン濃度を測定したところ456 pg/mlと異常な高値を示した。以上の検査結果から膵ガストリノーマを疑い、膵臓左葉の部分切除術を実施したところ、病理組織学的に膵神経内分泌腫瘍と診断され、臨床経過と合わせて膵ガストリノーマと判断した。術後、定期的にX線検査・腹部超音波検査を実施し、再発・遠隔転移の有無を確認しているが、術後3年経過した現在も再発や遠隔転移は認められず、良好な経過を辿っている。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本獣医麻酔外科学雑誌 Vol. 53; no. 3+4; pp. 49 - 53
Main Authors 木村, 勇介, 早部, 裕紀, 石井, 宏志, 南, 直秀, 後藤, 未子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会 2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2189-6623
2189-6631
DOI10.2327/jjvas.53.49

Cover

More Information
Summary:13歳、去勢雄、ラパーマの猫が嘔吐頻度の増加を主訴に来院した。腹部超音波検査では膵臓の左葉領域に直径約1 cmの結節状陰影を認め、さらに絶食時血清ガストリン濃度を測定したところ456 pg/mlと異常な高値を示した。以上の検査結果から膵ガストリノーマを疑い、膵臓左葉の部分切除術を実施したところ、病理組織学的に膵神経内分泌腫瘍と診断され、臨床経過と合わせて膵ガストリノーマと判断した。術後、定期的にX線検査・腹部超音波検査を実施し、再発・遠隔転移の有無を確認しているが、術後3年経過した現在も再発や遠隔転移は認められず、良好な経過を辿っている。
ISSN:2189-6623
2189-6631
DOI:10.2327/jjvas.53.49