虚弱高齢者を対象とした運動vs.運動+栄養介入 (大豆ペプチド) の効果に関する無作為化比較試験

「緒言」加齢にともない筋力や歩行機能など, 日常生活に必要な身体機能が漸次低下する. この加齢にともなう身体機能低下の背景の1つに, 骨格筋量が減少するサルコペニア(sarcopenia;筋肉減少症)がある1). サルコペニアの成因は複雑であるが, 身体的不活発(physical inactivity)とタンパク・エネルギー低栄養の2つがあることは, 多くの先行研究の一致するところである2). 心身機能の予備力が低下し, 将来要介護状態になるリスクの高い1群は, 虚弱高齢者と呼ばれている3). 虚弱高齢者では, 特に身体的不活発やタンパク・エネルギー低栄養に陥りやすく, サルコペニアを合併しや...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 67; no. 2; pp. 76 - 83
Main Authors 新開, 省二, 斎藤, 京子, 金, 憲経, 渡辺, 直紀, 李, 相侖, 鈴木, 隆雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 2009
日本栄養改善学会
Subjects
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.67.76

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Summary:「緒言」加齢にともない筋力や歩行機能など, 日常生活に必要な身体機能が漸次低下する. この加齢にともなう身体機能低下の背景の1つに, 骨格筋量が減少するサルコペニア(sarcopenia;筋肉減少症)がある1). サルコペニアの成因は複雑であるが, 身体的不活発(physical inactivity)とタンパク・エネルギー低栄養の2つがあることは, 多くの先行研究の一致するところである2). 心身機能の予備力が低下し, 将来要介護状態になるリスクの高い1群は, 虚弱高齢者と呼ばれている3). 虚弱高齢者では, 特に身体的不活発やタンパク・エネルギー低栄養に陥りやすく, サルコペニアを合併しやすい. 平成18年に改正された介護保険制度において, こうした虚弱高齢者の心身機能の改善に向けて, 筋力向上, 栄養改善, 口腔機能改善といったプログラムが提供されるようになった. しかし, これらプログラムは各々単独で提供されており, 筋力向上と栄養改善(例えば, たんぱく質の補充)を組み合わせるといった複合プログラムは提供されていない.
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.67.76