CD10とCK20の発現によるMCNと分枝型IPMNの鑑別
「背景と目的」膵臓の粘液性嚢胞腫瘍(mucinous cystic neoplasm:以下MCN)は, 中年女性の膵体尾部に好発する1), MCNは卵巣の粘液嚢胞腫瘍と組織学的ならびに免疫組織化学的に類似していることから, 膵内に遺残した卵巣原基由来の可能性があり, その診断に卵巣様間質の証明が重要視されているが, 閉経後のMCNや進行した粘液性嚢胞腺癌において卵巣様間質を欠く症例も報告されている2, 3). MCNと同じように粘液産生を特徴とする膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm:以下IPMN)は, 膵管上皮由来と考えられ,...
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Published in | 膵臓 Vol. 24; no. 6; pp. 740 - 741 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本膵臓学会
2009
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ISSN | 0913-0071 1881-2805 |
DOI | 10.2958/suizo.24.740 |
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Summary: | 「背景と目的」膵臓の粘液性嚢胞腫瘍(mucinous cystic neoplasm:以下MCN)は, 中年女性の膵体尾部に好発する1), MCNは卵巣の粘液嚢胞腫瘍と組織学的ならびに免疫組織化学的に類似していることから, 膵内に遺残した卵巣原基由来の可能性があり, その診断に卵巣様間質の証明が重要視されているが, 閉経後のMCNや進行した粘液性嚢胞腺癌において卵巣様間質を欠く症例も報告されている2, 3). MCNと同じように粘液産生を特徴とする膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm:以下IPMN)は, 膵管上皮由来と考えられ, MCNに比べて発癌頻度や術後再発率は高い4, 5). MCNとIPMNでは生物学的および臨床的特徴は大きく異なり, 両者を鑑別することは極めて重要であるが, MCNと膵管分枝に病変の主座がある分枝型IPMNを形態的に鑑別診断することが困難な場合がある. |
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ISSN: | 0913-0071 1881-2805 |
DOI: | 10.2958/suizo.24.740 |