LC/ICP/MSによる水道原水中における有機リン系農薬の分析法の開発

グリホサートは,我が国で最も生産量の多い除草剤であり,水道水質基準項目の水質管理目標設定項目に位置づけられている。その分析法は,プレカラム又はポストカラム誘導体化HPLC法が採用されているが,操作が繁雑で多くの労力を有する。 今回,我が国の繁用農薬であるグリホサート,グルホシネート,ホセチル及びそれらの主要な分解生成物について,液体クロマトグラフ誘導結合プラズマ質量分析法(LC/ICP/MS)による分析法を検討した。その結果,溶離液にギ酸を用いたイオン交換カラムによる分離を行い,リアクションガスに酸素を用いてPO+を定量イオンとして測定する方法により,直接注入による簡易迅速な同時分析が可能とな...

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Published in水環境学会誌 Vol. 36; no. 4; pp. 107 - 113
Main Authors 吉田, 紀美, 香河, 典子, 大倉, 敏裕, 新田, 祐子, 福田, 正幸, 四宮, 博人, 宮本, 紫織
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本水環境学会 2013
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ISSN0916-8958
1881-3690
DOI10.2965/jswe.36.107

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Summary:グリホサートは,我が国で最も生産量の多い除草剤であり,水道水質基準項目の水質管理目標設定項目に位置づけられている。その分析法は,プレカラム又はポストカラム誘導体化HPLC法が採用されているが,操作が繁雑で多くの労力を有する。 今回,我が国の繁用農薬であるグリホサート,グルホシネート,ホセチル及びそれらの主要な分解生成物について,液体クロマトグラフ誘導結合プラズマ質量分析法(LC/ICP/MS)による分析法を検討した。その結果,溶離液にギ酸を用いたイオン交換カラムによる分離を行い,リアクションガスに酸素を用いてPO+を定量イオンとして測定する方法により,直接注入による簡易迅速な同時分析が可能となった。検量線の直線性は,0.02∼30 mg·L-1の範囲で相関係数0.999以上となり,河川水及び地下水における添加回収試験を実施した結果,回収率は91.6%以上,相対標準偏差は3.8%以下と良好な結果であった。
ISSN:0916-8958
1881-3690
DOI:10.2965/jswe.36.107