地域生活における当事者・家族のニーズと専門職としての関わり

高次脳機能障害に対しては長期間にわたる地域支援が重要であるが, 我々専門職はどのように支援を発展させるべきか, 地域活動支援センター Wakaba (兵庫県宝塚市, 以下 Wakaba) での支援例を挙げ, 考察した。Wakaba の当事者・家族へニーズ調査を実施した結果, 家族は, 回復というよりも具体的活動を目標に設定し, 本人が楽しく前向きに生きられるように望んでいること, そして当事者自身も, 楽しく生活するという点を重要視していることがわかった。   我々専門職はどうしても「症状」に目が行きがちであるが, 生活の主体は当事者と家族である。対象者が求める「生活行為」に焦点をあて, 当事...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in高次脳機能研究 (旧 失語症研究) Vol. 39; no. 2; pp. 212 - 217
Main Author 宮原, 智子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会 30.06.2019
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1348-4818
1880-6554
DOI10.2496/hbfr.39.212

Cover

More Information
Summary:高次脳機能障害に対しては長期間にわたる地域支援が重要であるが, 我々専門職はどのように支援を発展させるべきか, 地域活動支援センター Wakaba (兵庫県宝塚市, 以下 Wakaba) での支援例を挙げ, 考察した。Wakaba の当事者・家族へニーズ調査を実施した結果, 家族は, 回復というよりも具体的活動を目標に設定し, 本人が楽しく前向きに生きられるように望んでいること, そして当事者自身も, 楽しく生活するという点を重要視していることがわかった。   我々専門職はどうしても「症状」に目が行きがちであるが, 生活の主体は当事者と家族である。対象者が求める「生活行為」に焦点をあて, 当事者・家族が「役に立った」と感じる支援をする必要がある。そのためには「長期間関わることができる支援体制」, 「専門的視点での具体的生活支援」, 「当事者・家族自身が変わる支援」が重要であると考える。
ISSN:1348-4818
1880-6554
DOI:10.2496/hbfr.39.212