第19回 臨床不整脈研究会 両室ペーシングのみでtwitchingをきたしたCRT-D植え込み例

症例は68歳の女性.2002年から拡張型心筋症の慢性心不全と徐脈頻脈症候群のためペースメーカーを植え込み通院している. 2006年8 月ころより持続性心室頻拍があり,心不全のコントロールも不良となった.9月, CRT-Dの方針とし,心臓電気生理検査, CRT-D植え込み術を行った.左鎖骨下静脈は閉塞していた.また右房はstandstillであったため,右側より VVI typeのCRT-D植え込みを行った.右室電極は右室心尖部(RV)に,左室電極は後側壁枝(LV)に留置した.LVの単極ペーシング閾値は0.75V×0.5msecで,最大刺激でもtwitchingを認めなかった.しかし,ICDに接...

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Published inShinzo Vol. 39; no. Supplement4; p. 10
Main Authors 渡邉, 義之, 中沢, 潔, 三宅, 良彦, 中野, 恵美, 長田, 圭三, 龍, 祥之助, 高木, 明彦, 岸, 良示
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2007
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.39.Supplement4_10

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Summary:症例は68歳の女性.2002年から拡張型心筋症の慢性心不全と徐脈頻脈症候群のためペースメーカーを植え込み通院している. 2006年8 月ころより持続性心室頻拍があり,心不全のコントロールも不良となった.9月, CRT-Dの方針とし,心臓電気生理検査, CRT-D植え込み術を行った.左鎖骨下静脈は閉塞していた.また右房はstandstillであったため,右側より VVI typeのCRT-D植え込みを行った.右室電極は右室心尖部(RV)に,左室電極は後側壁枝(LV)に留置した.LVの単極ペーシング閾値は0.75V×0.5msecで,最大刺激でもtwitchingを認めなかった.しかし,ICDに接続して両室ペーシングを行うと 1.5V×1.0msec でtwitchingが起きた.後側壁枝の選択,近位,遠位の選択を試み,また右室コイル位置も可能な限り移動させたが, 1.5V-3.0V×1.0msecでtwitchingが生じた. 前側壁枝留置時で最大刺激でもtwitchingは起きなかった.QRS幅は141msecと最も短縮していた (RV単独206msec, 後側壁枝および RV 183msec). CRTでは横隔膜神経刺激が問題となることが多い. 本例は双極ペーシングでのみ起きた. また通常左室ペーシングには側壁枝あるいは後側壁枝が至適とされ, 本例では2枝の近位,遠位を試みたが, twitchingを防げなかった. 結果的には前側壁枝で最短QRS幅のペーシングが可能であった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.39.Supplement4_10