ソーシャルメディアユーザの情報共有アクティビティを内包する災害証言アーカイブの発信

本研究の目的は,災害資料の集合的記憶化に関与するアーカイブコミュニティの拡大である.既存のディジタルアーカイブコンテンツは,資料の掲載をアーカイブコンテンツ内に制限している.そのため,ユーザの資料閲覧の機会を低下させ,アーカイブコミュニティの拡大を妨げていた.そこで,著者らはソーシャルメディアを用いて,資料の共有から伝播に至るユーザアクティビティを活性化させるアーカイブ発信を行った.著者らの提案する発信手法は,アーカイブ資料をソーシャルメディアTwitter内に直接掲載することで,ソーシャルメディアとアーカイブの境をなくし,ユーザ間の情報共有と資料閲覧を同時に行うことを可能にした.実装例による...

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Published in映像情報メディア学会誌 Vol. 69; no. 2; pp. J66 - J74
Main Authors 松田, 曜子, 高田, 百合奈, 渡邉, 英徳, 原田, 真喜子, 佐々木, 遥子, 太田, 裕介, 蜂谷, 聖未, 朴, 婉寧, 山田, 泰久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 映像情報メディア学会 2015
Subjects
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ISSN1342-6907
1881-6908
DOI10.3169/itej.69.J66

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Summary:本研究の目的は,災害資料の集合的記憶化に関与するアーカイブコミュニティの拡大である.既存のディジタルアーカイブコンテンツは,資料の掲載をアーカイブコンテンツ内に制限している.そのため,ユーザの資料閲覧の機会を低下させ,アーカイブコミュニティの拡大を妨げていた.そこで,著者らはソーシャルメディアを用いて,資料の共有から伝播に至るユーザアクティビティを活性化させるアーカイブ発信を行った.著者らの提案する発信手法は,アーカイブ資料をソーシャルメディアTwitter内に直接掲載することで,ソーシャルメディアとアーカイブの境をなくし,ユーザ間の情報共有と資料閲覧を同時に行うことを可能にした.実装例による情報伝播について分析した結果,ユーザアクティビティの連鎖的な伝播によって,コミュニティの参加者数は増加し続けていた.このことから,実装例によってアーカイブコミュニティの形成が促されることがわかった. 本稿では,実装例の解説を通して著者らのアーカイブの発信手法について述べる.
ISSN:1342-6907
1881-6908
DOI:10.3169/itej.69.J66