急速に増大した後腹膜Müller管嚢腫の1例
症例は45歳,女性.平成26年4月に子宮筋腫に対し子宮全摘術が施行された.術前の腹部MRI検査にて,左卵巣付近および左後腹膜腔にそれぞれ5cm大・11cm大の嚢腫を認め,子宮筋腫摘出時に1個(左卵巣付近)を摘出された.術後の病理診断で嚢腫は後腹膜Müller管嚢腫と診断された.同年10月より左腹部に腫瘤を自覚し,次第に増大し,疼痛も伴うようになり精査・加療目的に当院受診となる.左側腹部に25×20cm大の可動性不良な腫瘤を触知した.腹部造影CT・MRI検査では,後腹膜腔左側に20cm大の多房性嚢腫を認めた.後腹膜嚢腫と診断し,手術目的に平成27年4月に入院となった.術中,左後腹膜腔内に20cm...
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 77; no. 1; pp. 197 - 203 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
2016
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.77.197 |
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| Summary: | 症例は45歳,女性.平成26年4月に子宮筋腫に対し子宮全摘術が施行された.術前の腹部MRI検査にて,左卵巣付近および左後腹膜腔にそれぞれ5cm大・11cm大の嚢腫を認め,子宮筋腫摘出時に1個(左卵巣付近)を摘出された.術後の病理診断で嚢腫は後腹膜Müller管嚢腫と診断された.同年10月より左腹部に腫瘤を自覚し,次第に増大し,疼痛も伴うようになり精査・加療目的に当院受診となる.左側腹部に25×20cm大の可動性不良な腫瘤を触知した.腹部造影CT・MRI検査では,後腹膜腔左側に20cm大の多房性嚢腫を認めた.後腹膜嚢腫と診断し,手術目的に平成27年4月に入院となった.術中,左後腹膜腔内に20cm・10cm大の嚢腫を認め,嚢腫摘出術を施行した.術後病理検査にて,前回と同様に後腹膜Müller管嚢腫と診断された.本疾患は稀な疾患であり,自然経過を追跡できた貴重な症例と考え,若干の文献的考察を加え報告する. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.77.197 |