水環境健全性指標を適用したAHP手法による水環境の評価に関する研究

水環境健全性指標の評価軸は5つあるが,評価に際して調査者の各軸や個別指標に対する思いの強さ(重要度)は同じではないはずである。このような主観を考慮して水環境を総合的に評価する方法として,水環境健全性指標の指標群を評価要因構造とするAHP手法を提案する。通常の調査と同法による評価結果を比較し,調査者の判断の背景にある水環境に対する主観の把握を試みる。まず,同一主体により事例河川の複数地先で水環境調査を行い,各水環境の特色を明らかとする。次いで,健全性の定義を明示的に示した階層的な評価要因構造に基づきAHPを適用する。両方法による結果を比較した結果,AHPを適用した方法では通常の調査方法で得られる...

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Published in水環境学会誌 Vol. 35; no. 9; pp. 143 - 149
Main Authors 清水, 康生, 高橋, 弘二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本水環境学会 2012
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ISSN0916-8958
1881-3690
DOI10.2965/jswe.35.143

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Summary:水環境健全性指標の評価軸は5つあるが,評価に際して調査者の各軸や個別指標に対する思いの強さ(重要度)は同じではないはずである。このような主観を考慮して水環境を総合的に評価する方法として,水環境健全性指標の指標群を評価要因構造とするAHP手法を提案する。通常の調査と同法による評価結果を比較し,調査者の判断の背景にある水環境に対する主観の把握を試みる。まず,同一主体により事例河川の複数地先で水環境調査を行い,各水環境の特色を明らかとする。次いで,健全性の定義を明示的に示した階層的な評価要因構造に基づきAHPを適用する。両方法による結果を比較した結果,AHPを適用した方法では通常の調査方法で得られる結果とは傾向の異なる主観を反映した評価結果を得た。水環境健全性指標の判断の背景には調査者の水環境に対する思いがある。それを明示的に理解し水環境を深く理解するひとつの方法としてAHP手法は有効である。
ISSN:0916-8958
1881-3690
DOI:10.2965/jswe.35.143