体育学部大学生の走高跳経験の違いによる授業ノート記述量と受講者の主観的な受講態度,技能上達度の関係
目的: 本研究では,体育学部の専門科目(陸上競技・走高跳)における受講者の授業ノートの記述量と受講者の授業に対する真剣度および上達度との関係性を検討することを目的とした.方法: 女子大学の体育学部に所属する187名を調査対象者とした.授業内で使用した授業ノートを前期終了後に回収し,走高跳の授業の総文字数を解析項目とした.対象者を文字数で昇順に並べ,6群に振り分けた(走高跳未経験者記述量上位群,中間群,下位群,走高跳経験者記述量上位群,中間群,下位群).受講者の上達度・真剣度の評価にはvisual analog scale(VAS)を用いた.受講者の走高跳の上達度及び真剣度の比較には,走高跳の経...
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Published in | 大学体育スポーツ学研究 Vol. 17; pp. 23 - 28 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 全国大学体育連合
2020
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2434-7957 |
DOI | 10.20723/jpeshe.17.0_23 |
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Summary: | 目的: 本研究では,体育学部の専門科目(陸上競技・走高跳)における受講者の授業ノートの記述量と受講者の授業に対する真剣度および上達度との関係性を検討することを目的とした.方法: 女子大学の体育学部に所属する187名を調査対象者とした.授業内で使用した授業ノートを前期終了後に回収し,走高跳の授業の総文字数を解析項目とした.対象者を文字数で昇順に並べ,6群に振り分けた(走高跳未経験者記述量上位群,中間群,下位群,走高跳経験者記述量上位群,中間群,下位群).受講者の上達度・真剣度の評価にはvisual analog scale(VAS)を用いた.受講者の走高跳の上達度及び真剣度の比較には,走高跳の経験(有/無) ×受講者のノートの記述量(下位/中間/上位)の2要因分散分析を用いた.結果: 真剣度について2要因分散分析の結果,走高跳の経験と受講者のノートの記述量との間に交互作用が認められた.走高跳の経験のない学生では,ノートの記述量が多い受講者ほど授業に対する受講者の真剣度が高かった.走高跳の経験のある学生では,受講者の真剣度は群間で差がなかった.ノートの記述量が多い学生では,走高跳の経験の有る者より無い者で受講者の真剣度が高かった.走高跳の経験の有無に関わらずノートの記述量によって受講者の上達度に差はなかった.考察: 本研究の結果は,受講者の体育専門実技の授業ノート記述量と受講者の授業に対する真剣度の関係性を明らかにした.先行研究では,学生は授業ノートの文章記述によって自身の行動を注意深く自己観察することが示されている.体育専門実技のノートの記述量が多い学生は,走高跳に対する真剣度が高かった. |
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ISSN: | 2434-7957 |
DOI: | 10.20723/jpeshe.17.0_23 |