高齢者の呼吸筋力に対する水中歩行の持続効果
予測最大心拍数の60%負荷による水中歩行が高齢者の呼吸筋力に与える影響とその持続効果について検討した.参加者は,高齢男性43名(年齢68.6±3.4歳)とし,ランダムに水中歩行の継続群(21名)と非継続群(22名)に分けた.まず,両群ともに6週間の水中歩行を実施し,その後6週間は,継続群は同じ水中歩行を継続し,非継続群は日常生活以外の特別な運動を禁止した.水中歩行は,第4肋間以上の水深にて運動強度は予測最大心拍数の60%になるように歩行速度を調節し,30分間歩行を週に4回実施するものとした.測定項目は吸気筋力 (PImax),呼気筋力(PEmax),肺活量(VC)とし,運動前,6週後,8週...
        Saved in:
      
    
          | Published in | 日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 87; no. 2; pp. 66 - 72 | 
|---|---|
| Main Authors | , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
    
        31.05.2024
     | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0029-0343 1884-3697  | 
| DOI | 10.11390/onki.2362 | 
Cover
| Summary: |   予測最大心拍数の60%負荷による水中歩行が高齢者の呼吸筋力に与える影響とその持続効果について検討した.参加者は,高齢男性43名(年齢68.6±3.4歳)とし,ランダムに水中歩行の継続群(21名)と非継続群(22名)に分けた.まず,両群ともに6週間の水中歩行を実施し,その後6週間は,継続群は同じ水中歩行を継続し,非継続群は日常生活以外の特別な運動を禁止した.水中歩行は,第4肋間以上の水深にて運動強度は予測最大心拍数の60%になるように歩行速度を調節し,30分間歩行を週に4回実施するものとした.測定項目は吸気筋力 (PImax),呼気筋力(PEmax),肺活量(VC)とし,運動前,6週後,8週後,10週後,12週後に測定した.両群においてPImaxおよびPEmaxは運動前と比較し6週間後に有意な上昇を認めた.継続群は12週目にはPEmaxが6週目と比較し有意に上昇したが,PImaxは有意な上昇を認めなかった.非継続群は6週目と比較し,PEmaxは10週目には有意な低下を認め,さらに継続群と比較し有意に低値を認めた.非継続群のPImaxは6週目と比較し12週目は有意な低下を示した.VCは,両群において運動前と比較し,有意差は観測されず,6週間目以降も両群で有意な変化を示さなかった.水中歩行では水圧に抗しながら前進するため,呼気筋である腹筋群を働かせ体幹を固定する必要性が生じることから,継続群では6週目以降もPEmaxが上昇したと考えられる.一方で非継続群はプログラム終了後4~6週間にて呼吸筋力は低下することが示唆された. | 
|---|---|
| ISSN: | 0029-0343 1884-3697  | 
| DOI: | 10.11390/onki.2362 |