腸管嚢胞様気腫症を先進部として反復した腸重積の1例

腸管嚢胞様気腫症(pneumatosis cystoides intestinalis;PCI)は比較的まれな疾患である.一般的に臨床症状は軽微であるが,まれに腸重積の原因となりうる.症例は17歳の男性で,PCIを先進部とした腸重積を繰り返していた.保存的治療および下部内視鏡下に整復を得ていたが,同様の経過を繰り返すことから待機的に腹腔鏡下結腸右半切除術を施行した.肉眼的には粘膜下に隆起性病変が多発しており,病理組織学的検査でPCIの確定診断を得た.PCIと腸重積の合併はまれであるが,腸重積合併例は特発性PCIが多く,保存的治療のみで完全寛解を得ることは困難である.腸重積の原因を除去できないた...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 79; no. 7; pp. 1479 - 1484
Main Authors 川島, 龍樹, 長久, 吉雄, 河本, 和幸, 横田, 満, 橋田, 和樹, 岡部, 道雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2018
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.79.1479

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Summary:腸管嚢胞様気腫症(pneumatosis cystoides intestinalis;PCI)は比較的まれな疾患である.一般的に臨床症状は軽微であるが,まれに腸重積の原因となりうる.症例は17歳の男性で,PCIを先進部とした腸重積を繰り返していた.保存的治療および下部内視鏡下に整復を得ていたが,同様の経過を繰り返すことから待機的に腹腔鏡下結腸右半切除術を施行した.肉眼的には粘膜下に隆起性病変が多発しており,病理組織学的検査でPCIの確定診断を得た.PCIと腸重積の合併はまれであるが,腸重積合併例は特発性PCIが多く,保存的治療のみで完全寛解を得ることは困難である.腸重積の原因を除去できないため再発の可能性は高く,気腫が残存する場合には待機的手術が必要であると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.79.1479