I.わが国における実態と注目される病態:Acute-on-Chronic Liver Failure

わが国の肝硬変はB,C型のウイルス性が減少する一方で,脂肪性肝疾患による症例が増加している.肝炎ウイルスの制御が可能になり,ウイルス性では肝機能を改善させることが可能になった.しかし,脂肪性の多くは肝不全が徐々に進行するchronic decompensationを呈する.また,脂肪性のうちアルコール性では,大量飲酒を契機に肝不全が急速に進展する場合がある.そこで厚生労働省研究班はacute-on-chronic liver failure(ACLF)の診断基準(案)を2018年に発表し,これに基づいて全国調査を実施している....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 111; no. 1; pp. 9 - 14
Main Author 持田, 智
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.01.2022
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.111.9

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Summary:わが国の肝硬変はB,C型のウイルス性が減少する一方で,脂肪性肝疾患による症例が増加している.肝炎ウイルスの制御が可能になり,ウイルス性では肝機能を改善させることが可能になった.しかし,脂肪性の多くは肝不全が徐々に進行するchronic decompensationを呈する.また,脂肪性のうちアルコール性では,大量飲酒を契機に肝不全が急速に進展する場合がある.そこで厚生労働省研究班はacute-on-chronic liver failure(ACLF)の診断基準(案)を2018年に発表し,これに基づいて全国調査を実施している.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.111.9