マンモグラフィガイドライン 欧米との比較
日本におけるマンモグラフィガイドラインは,米国のBI-RADS第2版を元に1999年に出版されたものが初版である。マンモグラフィ検診精度管理中央委員会(現,乳がん検診精度管理中央機構)のもと,全国に浸透したものとなっている。所見はカテゴリー1から5に分類され,3以上が要精査とされる。具体的所見からカテゴリーを決定する過程を解説し,精査の要不要について述べている点が,海外のものにはない日本のガイドラインの利点であると考えられる。ヨーロッパでは2006年に作成されたガイドライン(第4版)があり,多くの国で利用されている。所見をR1-5に5段階分類して,3以上を要精査としている。米国ではBI-RAD...
Saved in:
Published in | 日本乳癌検診学会誌 Vol. 23; no. 1; pp. 17 - 21 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会
20.03.2014
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0918-0729 1882-6873 |
DOI | 10.3804/jjabcs.23.17 |
Cover
Summary: | 日本におけるマンモグラフィガイドラインは,米国のBI-RADS第2版を元に1999年に出版されたものが初版である。マンモグラフィ検診精度管理中央委員会(現,乳がん検診精度管理中央機構)のもと,全国に浸透したものとなっている。所見はカテゴリー1から5に分類され,3以上が要精査とされる。具体的所見からカテゴリーを決定する過程を解説し,精査の要不要について述べている点が,海外のものにはない日本のガイドラインの利点であると考えられる。ヨーロッパでは2006年に作成されたガイドライン(第4版)があり,多くの国で利用されている。所見をR1-5に5段階分類して,3以上を要精査としている。米国ではBI-RADS第4版が使用され,第5版が2014年1月に出版予定である。BI-RADSでは検診で悪性を否定できない所見があればカテゴリー0をつけて要精査とし,後日追加検査を行ってカテゴリー1から5に分類,病理学的に悪性の診断がついているものはカテゴリー6としている。またカテゴリー4はaからcの亜分類も存在する。このようにガイドラインおよびその所見分類には,日本,ヨーロッパ,米国の間で国際的にはそれぞれかなり異なる現状であることを理解する必要がある。われわれに最も求められていることは,検診を受診する女性の不利益にならないようなシステムを使い,必要があれば改訂を行っていくこと,また国際間で比較検討もまた重要であり,対応を行えるようにしておくことであると考えられる。 |
---|---|
ISSN: | 0918-0729 1882-6873 |
DOI: | 10.3804/jjabcs.23.17 |