STT型ゼオライト膜の調製と気体透過特性

天然ガスの分離・精製プロセスにおいてゼオライト膜の利用が検討されている。天然ガス中には主成分である二酸化炭素やメタンのほかに硫化水素などの酸性ガスや水蒸気が存在する。従来のアルミニウムを含むゼオライト膜は,耐酸性や水蒸気存在下での透過流束の減少が生じるため,これらのプロセスへの適用が困難である。そのため,高い耐酸性および高い疎水性を有するピュアシリカゼオライト膜が注目されている。そこで,本研究では比較的細孔容積が大きく,ピュアシリカの調製が報告されているSTT型ゼオライトに着目し,成膜条件について検討を行った。種結晶として用いるSTT型ゼオライト粒子の合成時間およびボールミルによる粉砕時間の最...

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Published inJournal of the Japan Petroleum Institute Vol. 61; no. 5; pp. 263 - 271
Main Authors 荒木, 貞夫, 山本, 秀樹, 中井, 尭志, 今坂, 怜史
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 石油学会 01.09.2018
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ISSN1346-8804
1349-273X
DOI10.1627/jpi.61.263

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Summary:天然ガスの分離・精製プロセスにおいてゼオライト膜の利用が検討されている。天然ガス中には主成分である二酸化炭素やメタンのほかに硫化水素などの酸性ガスや水蒸気が存在する。従来のアルミニウムを含むゼオライト膜は,耐酸性や水蒸気存在下での透過流束の減少が生じるため,これらのプロセスへの適用が困難である。そのため,高い耐酸性および高い疎水性を有するピュアシリカゼオライト膜が注目されている。そこで,本研究では比較的細孔容積が大きく,ピュアシリカの調製が報告されているSTT型ゼオライトに着目し,成膜条件について検討を行った。種結晶として用いるSTT型ゼオライト粒子の合成時間およびボールミルによる粉砕時間の最適化を行った。8時間ボールミル処理したSTT型ゼオライト粒子をアルミナ多孔質支持体に担持し,2次成長法によりSTT型ゼオライト膜を調製した。製膜時の合成時間の影響,構造規定剤(structure directing agent; SDA)および水濃度について検討を行った。1.0 SiO2 : 0.25 TMAdaOH : 54 H2Oのモル比で調整した溶液を用いて150 ℃,8日間水熱合成した膜が最も高い水素と六フッ化硫黄の透過係数比169を示した。
ISSN:1346-8804
1349-273X
DOI:10.1627/jpi.61.263