超臨界水を用いた坑井元における非在来型超重質原油改質技術の開発

超臨界水を用いた重質油改質技術(SCWC, Supercritical Water Cracking)は超重質油を改質して低比重,低密度の改質油を得る技術である。API比重8°のカナダオイルサンドビチューメンからは19~24°の改質油が得られ,比重・密度の観点からカナダのパイプラインの基準値を満たすことが確認できている。SCWCは,パイプライン輸送可能な改質油が希釈油を必要とせずに得られることや,シンプルな装置構成で得られることから,既存の希釈法やフルアップグレーディング法と比較して,コスト削減のメリットがあると考えている。SCWCプロセスによるベンチ装置(0.15 barrel/day)とパ...

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Published inJournal of the Japan Petroleum Institute Vol. 60; no. 5; pp. 241 - 247
Main Authors 藤本, 高義, 新井, 博久, 三好, 啓介, 粥川, 智生
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 石油学会 01.09.2017
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ISSN1346-8804
1349-273X
DOI10.1627/jpi.60.241

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Summary:超臨界水を用いた重質油改質技術(SCWC, Supercritical Water Cracking)は超重質油を改質して低比重,低密度の改質油を得る技術である。API比重8°のカナダオイルサンドビチューメンからは19~24°の改質油が得られ,比重・密度の観点からカナダのパイプラインの基準値を満たすことが確認できている。SCWCは,パイプライン輸送可能な改質油が希釈油を必要とせずに得られることや,シンプルな装置構成で得られることから,既存の希釈法やフルアップグレーディング法と比較して,コスト削減のメリットがあると考えている。SCWCプロセスによるベンチ装置(0.15 barrel/day)とパイロット装置(5 barrel/day)の2種類の装置を用いて実証を行った。これらの装置から得られた分解率,製品収率,製品性状を比較することで装置規模が与える影響を評価した。また,製品の安定性の分析やパイロット装置の250時間の長期運転により,SCWCプロセスが実現可能な分解率,およびシステムの信頼性を有していることを確認した。
ISSN:1346-8804
1349-273X
DOI:10.1627/jpi.60.241