インスピリスRESILIA大動脈弁を用いた大動脈弁置換術中に3カ所の交連部直下から逆流を生じ,Paravalvular leakageとの鑑別を要した1例

症例は72歳男性.64歳時に二尖弁の動脈弁狭窄症兼閉鎖不全症に対して生体弁による大動脈弁置換術を受けた.72歳時の定期検査で人工弁構造的劣化の診断となり,再弁置換術の適応との判断でインスピリスRESIRIA大動脈弁(インスピリス弁)を用いた再大動脈弁置換術を行った.人工心肺離脱直前の経食道心臓超音波検査で3カ所の交連直下から逆流がありParavalvular leakageが疑われたが,しだいに減弱していく様子が観察されたためTransvalvular leakage(TVL)と判断し,人工心肺を離脱しプロタミン投与を行い逆流は消失した.インスピリス弁の弁輪とステントポスト間の被覆布が粗になっ...

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 53; no. 2; pp. 62 - 65
Main Authors 神戸, 将, 新浪, 博士, 森田, 耕三, 池原, 大烈
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.03.2024
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.53.62

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Summary:症例は72歳男性.64歳時に二尖弁の動脈弁狭窄症兼閉鎖不全症に対して生体弁による大動脈弁置換術を受けた.72歳時の定期検査で人工弁構造的劣化の診断となり,再弁置換術の適応との判断でインスピリスRESIRIA大動脈弁(インスピリス弁)を用いた再大動脈弁置換術を行った.人工心肺離脱直前の経食道心臓超音波検査で3カ所の交連直下から逆流がありParavalvular leakageが疑われたが,しだいに減弱していく様子が観察されたためTransvalvular leakage(TVL)と判断し,人工心肺を離脱しプロタミン投与を行い逆流は消失した.インスピリス弁の弁輪とステントポスト間の被覆布が粗になっている部分があることが原因と考えられた.インスピリスRESIRIA大動脈弁の3カ所の交連部からTVLが生じた報告は少なく,経過観察可能であることが示唆されたため報告する.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.53.62