敵対的生成ネットワークによる自動コード推定~DCGANの改良と,CGANの適用

自動コード推定は,楽曲分析の分野における重要な研究課題である.既存研究において,DCGANを用いた手法が提案されているが,自動コード推定の正解率は73.2%に留まっている.そのため本研究では,DCGANを用いた手法の改良と,CGANを用いた手法を提案した.DCGANを用いた手法では,全結合層と出力層にtanh関数を使用することで,値域の統一を行い,Minibatch Discrimination層とすべての畳み込み層にL2正則化を追加して,Mode Collapseと過学習を抑制するように改良した.実験の結果,自動コード推定の正解率は91.7%となった.また,CGANを用いた手法では,条件の入...

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Published in日本シミュレーション学会論文誌 Vol. 15; no. 2; pp. 42 - 50
Main Authors 森田, 龍斗, 原, 崇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本シミュレーション学会 2023
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ISSN1883-5031
1883-5058
DOI10.11308/tjsst.15.42

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Summary:自動コード推定は,楽曲分析の分野における重要な研究課題である.既存研究において,DCGANを用いた手法が提案されているが,自動コード推定の正解率は73.2%に留まっている.そのため本研究では,DCGANを用いた手法の改良と,CGANを用いた手法を提案した.DCGANを用いた手法では,全結合層と出力層にtanh関数を使用することで,値域の統一を行い,Minibatch Discrimination層とすべての畳み込み層にL2正則化を追加して,Mode Collapseと過学習を抑制するように改良した.実験の結果,自動コード推定の正解率は91.7%となった.また,CGANを用いた手法では,条件の入力にOne-hotベクトルを採用し,MIDIデータの末尾に付加する手法と,MIDIデータの先頭を置換する手法を検証した.実験の結果,2つの手法の自動コード推定の正解率は,それぞれ90.5%,90.9%となった.本研究により,自動コード推定において,DCGANを用いた手法の正解率を向上させることが可能となった.さらに,CGANを用いた手法も,DCGANを用いた手法にはやや劣るものの,高い精度の正解率となることが示された.
ISSN:1883-5031
1883-5058
DOI:10.11308/tjsst.15.42