長期的企業業績測定の原理と方法 : 投資業績計算(第1報)

経営戦略の実行結果や経営者の能力の評価, 投資や取引きの対象としての候補企業の選択などのため, 企業の長期的業績を客観的に測定する必要がある.従来の企業業績測定法は, 財務会計にみられるように事業年度単位のものが中心であって, 長期の経営成績を評価するための測定方法は未だ確立されているとはいいがたい.企業の一定期間の経済成果はその期間に実行された多数の投資活動の成果の集合である.各投資の計画時に準拠すべきものとして投資計画の理論があり, 投資の実行結果の評価は計画時の評価と同じ原理で行うべきである.そこで本研究では投資計画の理論と同じ原理で企業業績を測定することを目的とする「投資業績計算」シス...

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Bibliographic Details
Published in日本経営工学会誌 Vol. 33; no. 6; pp. 422 - 428
Main Authors 高橋, 吉之助, 佃, 純誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本経営工学会 15.02.1983
Japan Industrial Management Association
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ISSN0386-4812
2432-9983
DOI10.11221/jimapre.33.6_422

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Summary:経営戦略の実行結果や経営者の能力の評価, 投資や取引きの対象としての候補企業の選択などのため, 企業の長期的業績を客観的に測定する必要がある.従来の企業業績測定法は, 財務会計にみられるように事業年度単位のものが中心であって, 長期の経営成績を評価するための測定方法は未だ確立されているとはいいがたい.企業の一定期間の経済成果はその期間に実行された多数の投資活動の成果の集合である.各投資の計画時に準拠すべきものとして投資計画の理論があり, 投資の実行結果の評価は計画時の評価と同じ原理で行うべきである.そこで本研究では投資計画の理論と同じ原理で企業業績を測定することを目的とする「投資業績計算」システムを提案する.この計算によれば, 有価証券報告書のデータを用いて, 任意の測定期間の正味の経済成長を客観的に求めることができる.わが国の上場企業の718社について実際データでの計算を行った結果, 投資業績計算を行うことに意味があることがわかった.
ISSN:0386-4812
2432-9983
DOI:10.11221/jimapre.33.6_422