重質油の超臨界水処理における水の溶媒効果

ビチューメンを超臨界水または高圧窒素中で処理し,反応媒体が各生成物の収率と性状に与える影響を比較した結果,超臨界水は水素供与などの化学的効果を示さず,重質成分を高分散する溶媒効果によって分子内脱水素反応を促進することが分かった。この効果を最大化する条件を決定するため,溶媒性状の指標である誘電率とハンセン溶解度パラメーターを用いた解析を実施した結果,重質油を最も高分散できる超臨界水の条件は,誘電率2.2以上かつハンセン溶解度パラメーターの水素結合項10 MPa0.5未満であることを明らかにした。最適条件を満たす温度圧力の超臨界水によって,重質油を最も分散でき,より高い改質油収率が得られることを確...

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Published inJournal of the Japan Petroleum Institute Vol. 57; no. 1; pp. 11 - 17
Main Authors 森本, 正人, 杉本, 義一, 佐藤, 信也, 鷹觜, 利公
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 石油学会 2014
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ISSN1346-8804
1349-273X
DOI10.1627/jpi.57.11

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Summary:ビチューメンを超臨界水または高圧窒素中で処理し,反応媒体が各生成物の収率と性状に与える影響を比較した結果,超臨界水は水素供与などの化学的効果を示さず,重質成分を高分散する溶媒効果によって分子内脱水素反応を促進することが分かった。この効果を最大化する条件を決定するため,溶媒性状の指標である誘電率とハンセン溶解度パラメーターを用いた解析を実施した結果,重質油を最も高分散できる超臨界水の条件は,誘電率2.2以上かつハンセン溶解度パラメーターの水素結合項10 MPa0.5未満であることを明らかにした。最適条件を満たす温度圧力の超臨界水によって,重質油を最も分散でき,より高い改質油収率が得られることを確認した。
ISSN:1346-8804
1349-273X
DOI:10.1627/jpi.57.11