Pd/MOFおよびRu/MOF触媒の調製とその水素化およびクロスカップリング触媒性能

テレフタル酸とクロムカチオンからなる金属–有機構造体(TPA–Cr)を水熱法により調製し,XRD,窒素吸脱着等温線,TGA-DTAおよびTEMでキャラクタリゼーションを行った。調製したTPA–Crは結晶性で純粋なものであることが分かった。貴金属を通常の含浸法でTPA–Crに担持した。Pd塩や含浸溶媒の選択がPdの存在位置に大きな影響を及ぼした。Pd源と溶媒にそれぞれ[Pd(NH3)4](NO3)2 と水を用いると,PdはTPA–Crのミクロ細孔内に担持されたが,Pd源にPdCl2を用いた場合には,水溶媒あるいはメタノール溶媒いずれにおいてもPdはTPA–Crの外表面に担持された。α,β-不飽和...

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Published inJournal of the Japan Petroleum Institute Vol. 57; no. 1; pp. 58 - 64
Main Authors 米原, 貴大, 佐野, 誠, 澤井, 直, 鈴木, 俊光, 米澤, 彰広, 三宅, 孝典
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 石油学会 2014
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ISSN1346-8804
1349-273X
DOI10.1627/jpi.57.58

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Summary:テレフタル酸とクロムカチオンからなる金属–有機構造体(TPA–Cr)を水熱法により調製し,XRD,窒素吸脱着等温線,TGA-DTAおよびTEMでキャラクタリゼーションを行った。調製したTPA–Crは結晶性で純粋なものであることが分かった。貴金属を通常の含浸法でTPA–Crに担持した。Pd塩や含浸溶媒の選択がPdの存在位置に大きな影響を及ぼした。Pd源と溶媒にそれぞれ[Pd(NH3)4](NO3)2 と水を用いると,PdはTPA–Crのミクロ細孔内に担持されたが,Pd源にPdCl2を用いた場合には,水溶媒あるいはメタノール溶媒いずれにおいてもPdはTPA–Crの外表面に担持された。α,β-不飽和アルデヒドであるシンナムアルデヒドとクロトンアルデヒドの水素化反応と臭化アリールとフェニルボロン酸のクロスカップリング反応をPd/TPA–CrやRu/TPA–Crを触媒として検討した。その結果,二つのモデルアルデヒド化合物においては水素化がTPA–Crのミクロあるいはメソ細孔内で進行し,一方,かさ高い化合物のクロスカップリング反応は大部分がTPA–Crの外表面で進行することが示唆された。
ISSN:1346-8804
1349-273X
DOI:10.1627/jpi.57.58