農業気象災害のリスク推定ツール

時期はずれの霜や豪雨などの激しい気象が生ずると,農作物は壊滅的な打撃を受ける. 長期間にわたる気象観測データを利用すれば,これら気象災害のリスクの推定して,事前に対応することにより被害を軽減することができる.しかしながら,これらの気象データを処理してリスクを推定するツールは,通常特定のデータベースしか利用できない.我々は,11のオンライン気象データベースに接続して統一的に気象観測データを利用できるMetBrokerを開発した.ここでは,MetBrokerを利用して長期気象観測データを取得し,気温・降水量・風速などが,ユーザが設定した閾値を越える確率を計算する2つのJavaアプレットについて記述...

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Bibliographic Details
Published in農業情報研究 Vol. 10; no. 2; pp. 79 - 90
Main Authors 二宮, 正士, 木浦, 卓治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 農業情報学会 2001
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ISSN0916-9482
1881-5219
DOI10.3173/air.10.79

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Summary:時期はずれの霜や豪雨などの激しい気象が生ずると,農作物は壊滅的な打撃を受ける. 長期間にわたる気象観測データを利用すれば,これら気象災害のリスクの推定して,事前に対応することにより被害を軽減することができる.しかしながら,これらの気象データを処理してリスクを推定するツールは,通常特定のデータベースしか利用できない.我々は,11のオンライン気象データベースに接続して統一的に気象観測データを利用できるMetBrokerを開発した.ここでは,MetBrokerを利用して長期気象観測データを取得し,気温・降水量・風速などが,ユーザが設定した閾値を越える確率を計算する2つのJavaアプレットについて記述する.ひとつは,特定の場所と季節に,それらの状態が一月のうちにどのくらい生じるか,また,それらが最初に観測されてから最後に観測される間の日毎の積算確率を示すことができる.ソフトウェアの有効性を示すために,ニュージーランドと日本のほぼ対応する緯度にある二つの霜害がひどい地域に関するリスクを推定して比較している.もうひとつは,ある特定の地域内にある観測点のリスクを計算して,その地域でリスクがどのように広がっているのかを示す.気温の場合には,内挿を行うことにより面的なデータとして示すことができる.
ISSN:0916-9482
1881-5219
DOI:10.3173/air.10.79