北海道東部における自然気胸症例の臨床的検討

昭和63年より平成5年まで当科で経験した自然気胸50例について検討した。内訳は男性43例, 女性7例である。そのうち11例22%は安静療法のみで気胸は改善し, 残り39例に対しては胸腔ドレナージを行い, 最終的に30例60%に気胸の改善をみた。しかし残り9例18%の症例は, 手術を必要とした。再発率は初回例39%, 2回目36%であり, 良性疾患で, 内科的治療の再発率は高いが半数以上は再発しない点を治療選択の際どう評価するかが, 意見の分かれるところと考える。さらにこれらの症例を対象に, 特発性自然気胸例における体格と胸部X線写真上で測定される肺の大きさとの関連を検討する目的で, 特発性気胸...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 42; no. 4; pp. 956 - 961
Main Authors 稲葉, 秀一, 吉川, 隆志, 寺井, 継男, 牧村, 士郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 01.11.1993
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.42.956

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Summary:昭和63年より平成5年まで当科で経験した自然気胸50例について検討した。内訳は男性43例, 女性7例である。そのうち11例22%は安静療法のみで気胸は改善し, 残り39例に対しては胸腔ドレナージを行い, 最終的に30例60%に気胸の改善をみた。しかし残り9例18%の症例は, 手術を必要とした。再発率は初回例39%, 2回目36%であり, 良性疾患で, 内科的治療の再発率は高いが半数以上は再発しない点を治療選択の際どう評価するかが, 意見の分かれるところと考える。さらにこれらの症例を対象に, 特発性自然気胸例における体格と胸部X線写真上で測定される肺の大きさとの関連を検討する目的で, 特発性気胸患者のうち10歳代から30歳代の男性気胸例34例を選択し, 年齢を合致させた男性対照30例についても比較検討した。身長については特発性気胸例については対照より有意に高値を呈し, 体重については低い傾向を示した。また肺の高さについては気胸群は対照群に比し有意に高値を呈し, 従来から言われている長身, 痩せ型の体型で, 肺の高さも高いことが裏づけられた。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.42.956