低温土中出芽性を高めたコシヒカリ染色体部分置換系統「と系1370」に対する播種前処理の影響

苗立性を改良した水稲品種の活用には,過酸化石灰被覆を省略した直播が考えられる.「コシヒカリ」を遺伝背景とし,「阿波赤米」の有用領域を導入して,低温土中出芽性を高めた系統「と系1370」を用いて,過酸化石灰被覆を省略し,種子の催芽程度,乾燥時間,播種機通過が低温土中出芽性に及ぼす影響を評価した.その結果,鳩胸種子の播種機通過処理および風乾処理において,低温土中出芽性が低下したが,「コシヒカリ」より「と系1370」の方がいずれの条件でも出芽率が高かった.これより,過酸化石灰被覆の省略を目標とした直播栽培には,適正な浸種,催芽,乾燥方法の確立が重要であるとともに,低温土中出芽性を高める品種改良が有効...

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Published in北陸作物学会報 Vol. 45; pp. 31 - 34
Main Authors 蛯谷, 武志, 表野, 元保, 山口, 琢也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北陸作物・育種学会 2010
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ISSN0388-8061
2189-7417
DOI10.19016/hokurikucs.45.0_31

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Summary:苗立性を改良した水稲品種の活用には,過酸化石灰被覆を省略した直播が考えられる.「コシヒカリ」を遺伝背景とし,「阿波赤米」の有用領域を導入して,低温土中出芽性を高めた系統「と系1370」を用いて,過酸化石灰被覆を省略し,種子の催芽程度,乾燥時間,播種機通過が低温土中出芽性に及ぼす影響を評価した.その結果,鳩胸種子の播種機通過処理および風乾処理において,低温土中出芽性が低下したが,「コシヒカリ」より「と系1370」の方がいずれの条件でも出芽率が高かった.これより,過酸化石灰被覆の省略を目標とした直播栽培には,適正な浸種,催芽,乾燥方法の確立が重要であるとともに,低温土中出芽性を高める品種改良が有効と考えられた.
ISSN:0388-8061
2189-7417
DOI:10.19016/hokurikucs.45.0_31