病院建築の施設整備計画に求められる多職種間の適切な交流―優れた病院建築として評価される二つの施設を事例として

大規模病院の多くでは,医療政策の変化に伴い,求められる機能を充たすための新たな設備や機器の導入,病棟再編などに伴う改修や増築などの施設整備が行われている。しかし,施工後の施設では患者や医療従事者から動線の複雑化や水回りの不便さなどの不満が聞かれ,施設の整備が利用者の過ごす環境の向上に繋がっていない例も見られる。そこで,本研究では創設時から現在に至るまで優れた病院建築として評価されているA病院とB病院を事例として,資料調査と現地調査および施設の整備にかかわる担当者からの聞き取り調査により2施設の比較,分析を行った。その結果,医療の質を担保するための健全な病院運営の管理を基本とし,日常的に多職種が...

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Published in日本経営診断学会論集 Vol. 21; pp. 80 - 86
Main Authors 横山, 淳一, 亀谷, 佳保里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本経営診断学会 2021
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ISSN1882-4544
DOI10.11287/jmda.21.80

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Summary:大規模病院の多くでは,医療政策の変化に伴い,求められる機能を充たすための新たな設備や機器の導入,病棟再編などに伴う改修や増築などの施設整備が行われている。しかし,施工後の施設では患者や医療従事者から動線の複雑化や水回りの不便さなどの不満が聞かれ,施設の整備が利用者の過ごす環境の向上に繋がっていない例も見られる。そこで,本研究では創設時から現在に至るまで優れた病院建築として評価されているA病院とB病院を事例として,資料調査と現地調査および施設の整備にかかわる担当者からの聞き取り調査により2施設の比較,分析を行った。その結果,医療の質を担保するための健全な病院運営の管理を基本とし,日常的に多職種が協同して施設整備のための計画にかかわっていることがわかった。2施設の取り組みから,質の高い医療を支えるために求められる施設整備計画の体制を提示する。
ISSN:1882-4544
DOI:10.11287/jmda.21.80