デジタルパノラマX線画像の拡大率を評価できる特殊ファントムの開発

「緒言」 歯科用パノラマX線撮影は, 上下顎歯列を総覧的に観察する方法として歯科医院に広く普及しており, 口内法撮影に次いでよく行われる撮影である1. 現在, 歯科医療機関におけるパノラマX線装置の設置率は80%を超え, 1年間に撮影されるパノラマX線写真は約1000万枚に達すると報告されている2. また, 歯科インプラント治療においてもパノラマX線撮影は, インプラント体の埋入予定部位の観察, 下歯槽管や上顎洞までの距離のスクリーニング, 術後評価などに頻用されている3,4. しかし, パノラマX線撮影には, 被写体の位置付けがずれることにより, 画像が大きく変化してしまうという欠点がある....

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Published in歯科放射線 Vol. 52; no. 4; pp. 47 - 60
Main Authors 飯田, 幸弘, 永原, 國央, 犬飼, 啓介, 勝又, 明敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会 31.12.2012
日本歯科放射線学会
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ISSN0389-9705
2185-6311
DOI10.11242/dentalradiology.52.47

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Summary:「緒言」 歯科用パノラマX線撮影は, 上下顎歯列を総覧的に観察する方法として歯科医院に広く普及しており, 口内法撮影に次いでよく行われる撮影である1. 現在, 歯科医療機関におけるパノラマX線装置の設置率は80%を超え, 1年間に撮影されるパノラマX線写真は約1000万枚に達すると報告されている2. また, 歯科インプラント治療においてもパノラマX線撮影は, インプラント体の埋入予定部位の観察, 下歯槽管や上顎洞までの距離のスクリーニング, 術後評価などに頻用されている3,4. しかし, パノラマX線撮影には, 被写体の位置付けがずれることにより, 画像が大きく変化してしまうという欠点がある. Schiffら5は, 大学病院で撮影されたパノラマX線画像から無作為に選んだ1000枚の中で, 歪み無く正確に撮影されたのは20.3%であったと報告している. その原因は, 焦点・被写体・検出器の位置関係が絶えず変化し, 画像の拡大率が一定していないためである.
ISSN:0389-9705
2185-6311
DOI:10.11242/dentalradiology.52.47