6歳時より4年5か月経過観察し, 手術を行った集合性歯牙腫の1例

歯牙腫は歯の硬組織を主体とする代表的な歯原性腫瘍で, 通常は10歳代~20歳代にかけて発見されることが多く, それ程まれな疾患ではない. 下顎前歯の萌出遅延が認められた6歳10か月の男児がたまたま撮影されたオルソパントモ写真で右下顎第2乳臼歯遠心根根尖後方の異常不透過像を指摘され, 当科を紹介された. この不透過像の前後には未完成の歯が存在したため, 11歳3か月まで経過観察し, 手術を行い良好な結果を得たのでその概要を報告する. 症例 患者:6歳10か月 男児 初診:1995年3月20日 主訴:右下顎第2乳臼歯遠心根後方の異常不透過像 既往歴:3歳時よりひどいアトピー性皮膚炎がある他, 年2...

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Published in小児口腔外科 Vol. 11; no. 1; pp. 22 - 25
Main Authors 内田, 堅一郎, 早津, 良和, 石丸, 孝則, 篠崎, 文彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児口腔外科学会 25.06.2001
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ISSN0917-5261
1884-6661
DOI10.11265/poms1991.11.22

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Summary:歯牙腫は歯の硬組織を主体とする代表的な歯原性腫瘍で, 通常は10歳代~20歳代にかけて発見されることが多く, それ程まれな疾患ではない. 下顎前歯の萌出遅延が認められた6歳10か月の男児がたまたま撮影されたオルソパントモ写真で右下顎第2乳臼歯遠心根根尖後方の異常不透過像を指摘され, 当科を紹介された. この不透過像の前後には未完成の歯が存在したため, 11歳3か月まで経過観察し, 手術を行い良好な結果を得たのでその概要を報告する. 症例 患者:6歳10か月 男児 初診:1995年3月20日 主訴:右下顎第2乳臼歯遠心根後方の異常不透過像 既往歴:3歳時よりひどいアトピー性皮膚炎がある他, 年2, 3回気管支喘息の発作がある. 家族歴:特記事項なし 現病歴:1995年1月下顎前歯の萌出遅延があり, たまたま撮影したオルソパントモ写真に右下顎第2乳臼歯遠心根後方に米粒が連なったような不透過像が認められたため, 当科を紹介された. 現症:全身所見:手, 足, 顔面にアトピ-性皮膚炎が認められる他, 特記事項なし. 口腔外所見:顔貌は左右対称で異常所見はない. また, 左右大豆大可動性の顎下リンパ節を触知する.
ISSN:0917-5261
1884-6661
DOI:10.11265/poms1991.11.22