福井市高須町における局所雨量観測データを用いた土砂災害発生危険度評価およびその住民の早期避難に向けた利活用に関する検討

福井市高須町では,独自に設置した気象観測装置により現地局所雨量の計測を継続的に実施し,土砂災害発生危険度の分析を行ってきた。その結果,これまでに土砂災害の発生危険度が著しく高まったのは,「平成 30 年(2018 年)7 月豪雨(西日本豪雨)」,「令和 3 年(2021 年)7 月 29 日の大雨」,「令和 4 年(2022年)8 月4 日から5 日の大雨」の 3 回のみであった。本稿では,現地局所雨量データをもとにスネーク曲線を描画することで,集中豪雨と局所的大雨時の土砂災害発生の危険度について分析を行った。また,防災気象情報や避難に関する情報とあわせて,現地局所雨量に基づく土砂災害発生危険...

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Published in地盤工学ジャーナル Vol. 19; no. 1; pp. 117 - 126
Main Authors 近藤, 誠司, 山田, 忠幸, 小山, 倫史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 地盤工学会 01.03.2024
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ISSN1880-6341
DOI10.3208/jgs.19.117

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Summary:福井市高須町では,独自に設置した気象観測装置により現地局所雨量の計測を継続的に実施し,土砂災害発生危険度の分析を行ってきた。その結果,これまでに土砂災害の発生危険度が著しく高まったのは,「平成 30 年(2018 年)7 月豪雨(西日本豪雨)」,「令和 3 年(2021 年)7 月 29 日の大雨」,「令和 4 年(2022年)8 月4 日から5 日の大雨」の 3 回のみであった。本稿では,現地局所雨量データをもとにスネーク曲線を描画することで,集中豪雨と局所的大雨時の土砂災害発生の危険度について分析を行った。また,防災気象情報や避難に関する情報とあわせて,現地局所雨量に基づく土砂災害発生危険度の分析結果などを活用し,住民が自ら避難を開始する基準である「避難スイッチ」や住民一人ひとりの防災行動計画である「マイ・タイムライン」を駆動し,早期警戒・避難行動を起こすための方法について合わせて検討した。
ISSN:1880-6341
DOI:10.3208/jgs.19.117