歩行者自身が障害物になる状況を考慮した情報フローティングの理論解析

歩行者や自動車などの移動ノードが,直接無線通信及び情報を持つ移動ノードの移動により情報を空間的に拡散させ伝達する場合,無秩序かつ不必要な情報拡散が発生する.この問題を防ぐため,直接無線通信による情報の送信場所を送信可能エリアだけに制限して伝達することが考えられ,この手法は情報フローティングと呼ばれている.情報フローティングの理論性能評価は,送信可能エリアの大きさの決定などに必要なことから重要であり,様々な状況を仮定し,研究されてきた.本論文では,道路上を双方向に移動する歩行者群による情報フローティングを考え,通信を行う移動ノードの位置関係によって移動ノード自身が障害物になり直接通信可能距離が異...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本シミュレーション学会論文誌 Vol. 14; no. 1; pp. 9 - 19
Main Authors 中野, 敬介, 宮北, 和之, 柄沢, 直之, 田村, 裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本シミュレーション学会 2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1883-5031
1883-5058
DOI10.11308/tjsst.14.9

Cover

More Information
Summary:歩行者や自動車などの移動ノードが,直接無線通信及び情報を持つ移動ノードの移動により情報を空間的に拡散させ伝達する場合,無秩序かつ不必要な情報拡散が発生する.この問題を防ぐため,直接無線通信による情報の送信場所を送信可能エリアだけに制限して伝達することが考えられ,この手法は情報フローティングと呼ばれている.情報フローティングの理論性能評価は,送信可能エリアの大きさの決定などに必要なことから重要であり,様々な状況を仮定し,研究されてきた.本論文では,道路上を双方向に移動する歩行者群による情報フローティングを考え,通信を行う移動ノードの位置関係によって移動ノード自身が障害物になり直接通信可能距離が異なる場合の情報フローティングの理論解析を行う.理論解析の数値計算結果より,移動ノードの密度及び各方向の密度の違いによって移動ノード自身が障害物になることの情報フローティングへの影響の程度が異なることを示し,本論文の理論解析手法の有効性を示す.この結果を踏まえたうえで,移動ノード自身が障害物になる状況に適した送信可能エリアの大きさの決定法を示す.
ISSN:1883-5031
1883-5058
DOI:10.11308/tjsst.14.9