GRB起源PeV-EeVタウニュートリノ初探査(最近の研究から)

試運転期のAshra集光器を用いた,初めてのGRB起源タウニュートリノ(ν_r)探索結果を報告する.本探索では検出方法として,地球かすりν_τ起源のタウ崩壊空気シャワーからのチェレンコフ光のイメージングを用いている.この方法には,大質量を有する山や地殻をニュートリノ相互作用の標的として使用すると同時に,バックグラウンドとなる宇宙線2次粒子を完壁に遮蔽することができるという大きな利点がある.我々は,衛星によるGRB081203Aのガンマ線トリガーの2.83時間前から1.78時間前までの3,780秒間におけるプリカーサー放射と, 21.2時間後から22.2時間後までの3,780秒間における残光放射...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本物理学会誌 Vol. 67; no. 10; pp. 710 - 714
Main Authors 佐々木, 真人, 浅岡, 陽一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本物理学会 05.10.2012
Online AccessGet full text
ISSN0029-0181
2423-8872
DOI10.11316/butsuri.67.10_710

Cover

More Information
Summary:試運転期のAshra集光器を用いた,初めてのGRB起源タウニュートリノ(ν_r)探索結果を報告する.本探索では検出方法として,地球かすりν_τ起源のタウ崩壊空気シャワーからのチェレンコフ光のイメージングを用いている.この方法には,大質量を有する山や地殻をニュートリノ相互作用の標的として使用すると同時に,バックグラウンドとなる宇宙線2次粒子を完壁に遮蔽することができるという大きな利点がある.我々は,衛星によるGRB081203Aのガンマ線トリガーの2.83時間前から1.78時間前までの3,780秒間におけるプリカーサー放射と, 21.2時間後から22.2時間後までの3,780秒間における残光放射からのν流量に対し,ペタ電子ボルト(10^ eV; PeV)からエクサ電子ボルト(10^ eV; EeV)のエネルギー領域で厳しい観測的制限を与えた.この, PeV-EeVでのν_r初探査は,これまでの水チェレンコフ検出器や大規模空気シャワーアレイ実験とエネルギー領域や検出方法において相補的であり,優れた時間及び位置同定による"多粒子天文学"の幕開けを示唆する.
ISSN:0029-0181
2423-8872
DOI:10.11316/butsuri.67.10_710